第12話 目指せ! ひと桁!

 前回からの続き……。


 美亜みあちゃんが、わたしのうちに来たいと言いだした。

 まぁ、美亜ちゃんに言われるまで、わたしにそんな経験がないってだけで、うちにくるのは、たぶん問題ない。



 いろいろと、美亜ちゃん側に、あくまで、美亜ちゃん側に問題や心配事があったけど、そのすべてを、持ち前のポジティブさで、美亜ちゃんは乗りきりやがった。

 着替えを取りに戻るって言って、わたしを強引に自宅に連行し、玄関先でお母さんと対峙する。その間を、どう取りもったらいいかわからないわたし。

 わたしのところ、父子家庭だから心配なんだろうなぁ、お母さん。いくら、父親とはいえ、他人から見たら『男』なわけだし……。


 そんな心配ごとを、わたしと美亜ちゃんのお母さんが話してる間に、制服を着替えて鞄を背負った美亜ちゃんが現れた!


「今度の中間、目指せ! ひと桁! だから」


 その発言に、美亜ちゃんのお母さんが根負けしたみたいに、肩を落としていた。

 もう、わたしたちの気も知らんと……。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 次回は、高校現在編いまのおはなしをしよう。ちょっとだけ、息抜き……。

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