第11話 そこを勘違いすんな

 前回のお話……。


 わたしの事情を、プライバシーを守る必要があるな、とかなんとか言いながら、美亜みあちゃんが、わたしを引きずるようにして下校した。

 その後、美亜ちゃんで、なにもかも、根掘り葉掘り、洗いざらい白状させられたわたし。

 最後には、美亜ちゃんのお母さんまで、鼻をぐすぐすさせてたよ。


 と、この時のお話は、また改めて……。



 今回は、この騒動があり、夏休みも終わり、二学期の中間テストの前のお話。

 美亜ちゃんが、わたしのうちに来たいと言いだした。十月上旬のことだ。理由は、『勉強を教えてくれ!』だった。一学期の期末テストよりも、更に上に行きたいんだそうだ。


「授業聞いてりゃ、なんとかなるって」


 わたしのイヤそうな雰囲気を察したのだろう。美亜ちゃんが頬を膨らませている。

 仕方ないだろ? だって、わたし、自分のうちに友達を呼ぶなんて、未だ経験がないんだ。


「この間、うちに来たじゃないか」

「ちょっと待て! あれは行ったじゃない。連れ去られたんだ! そこを勘違いすんな」

「お母さんが、また連れて来いって言ってた。今度は泊まりにおいでって」

「迷惑以外の何物でもないからイヤだよ」

「そうだ! 明日は祝日だから、今日はわたしが泊まりに行く!」

「それこそ、迷惑だよ」

「いいから、いいから」


 う〜ん、なにを言っても勝てない気がしてきた。


 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 次回も、中学過去編まえのおはなし。美亜ちゃんが初めてわたしの家に、お泊まりにきた時のお話。続く……。

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