第05話 心配すんな!

 初回以来の高校現在編いまのおはなし

 たまには、最近の話もしないと飽きられてしまいそうだからね。



 わたしたちの高校生活は、例年より、2ヶ月遅れで始まった。新年度から、オンラインで、少しずつ授業は行われていたけれど。

 同級生に出会ったのも、先輩たちに緊張したのも、6月になってからだった。


 出会って最初の、美亜みあちゃんの誕生日では、「嘘だ! こんなにちっさいのに……」と言ったあとで、わたしの頭に手を置いたんだ。

 忘れてないぞ! この屈辱!


 そして、今年だ。


「誕生日、おめでとう」


 わたしからのプレゼントを、受け取って嬉しそうに微笑む美亜ちゃん。くっ! かわいい。そんな、わたしたちのやりとりに、高校でできたふたりの友人が絡んできた。


「美亜ちゃん、誕生日なんだぁ?」

「わたしたちの中では、一番上?」


 美亜ちゃんが、大袈裟に首を横に振る。そして、わたしを指差す。


「嘘みたいだろ? こんなにちっさいのに……」

「おい、どこ見て言ってる?」


 わたしの言葉に、目が泳いでる。そのあと、ひとつため息をついて、視線を下に落とした美亜ちゃん。


「心配すんな! まだまだ成長途上なんだから」

「だから、なにがだ?」



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 次回は、高校で出逢った、ふたりの友人のお話をしようか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る