09話.[分かっていない]
「やっぱりそっちで寝たい」
言うと思った……。
おかしいと思ったんだ、あの五月が大人しく下なんかで寝るなんて言うのはね。
「いいわよ」
で、紫乃は当たり前のように許可をしてしまう。
まあそもそもこんなちびっ子がいるところでキスとかはできないからいいんだけどさ。
にしても五月のやつ、本当に小さすぎる。
紫乃はいっぱい食べさせて大きくさせようとしているみたいだけど、無駄のようだ。
「瑠奈ぎゅー」
「え、こっちでいいの?」
「たまには、紫乃にはいつも紫乃からしてもらえているから」
……紫乃はこれでいて可愛い物が好きだから仕方がない。
ま、物じゃないんだけども、……柔らかくていい匂いがする。
「こらっ、瑠奈は私のよっ」
またこれは意外なところから意外な言葉が。
「ごめん、やめる」
「あ……ごめんなさい、大きな声を出してしまって」
基本的に対五月には大甘な紫乃が……。
嬉しい、間に五月がいなければ思いきり3分間ぐらいずっとキスしているところだ。
「紫乃ありがとう」
「い、いえ、勝手に独占欲を働かせてしまっただけだから」
彼女は分かっていない、それがどれだけ嬉しいのかを。
本当に彼女をずっと好きで居続けて良かった。
家事もそうだけど諦めていたら可能性は0だっただろうからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます