ジャンクフード

 コンビニの店内で制服を着た少年がチラチラと視線を怪しく泳がせる。少年はパンがずらっと並べられたコーナーで商品を見るでもなく、眉を顰めて口を固く閉しレジを注視していた。額には脂汗が滲み、鼻息は荒い。

 少年が背伸びをして雑誌コーナーが展開されている窓から外を見ると、駐車場に自転車を停めて談笑する少年達の姿があった。彼らは店内の少年と同じ制服を身につけており、たまに店内を一瞥していた。

 少年は手に持った空の学生カバンを徐に開く。


 成人男性がハンバーガー屋の袋を片手に道路側を歩いている。男性はスマホの画面で万歩計を見ながらため息をつくと、それをしまって足早に歩き始めた。

 男性が角を曲がると、駐車場に自転車に乗った学生がたむろするコンビニが見えた。コンビニの中から学生カバンのみを持った少年が出てくると、少年達は自転車のスタンドを蹴って次々に走り出す。

 男性はそれを横目に見ながら渋滞の車のクラクションの中を歩いて行った。

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