2021-04-13
人生記を書くと決めたのだから、情けないナルシズムを垂れ流すことにする。
俺はこれまで、努力をしてきた。
主に勉強面で、今頑張っておけば将来楽になると信じていた。
青春も捨てた。元から青春を謳歌できるような人間ではなかったが。
年少期の多くの娯楽は、既に叶わないものとなって仕舞った。
そうしてでも、将来楽に生きたかった。
だが、現在そうはなっていない。
前にも書いたが、努力の報酬は努力だ。
努力すればする程、努力を辞めた時の喪失は大きくなる。
そうだから、一生向上に向かって邁進できる人間ならば善かったのだろう。
悲しいことに、俺の求めたものは安定だった。
報酬として努力を課され続けることに、心は着いていけなかった。
勿論、弛まぬ努力の果てに相応の安定があることは否定しない。
だが、その安定は一体何十年先の話だ。
老いさらばえて、死を待つだけの時になって安定を得たところで、
果たして何の意味があるのだろう。
努力の果てに得られる安定は、その過程での安寧をいくつ壊しているのだろう。
俺は、君たちほど強くないのだ。
人生が辛くても、何とか騙し騙し生きていけるほどの人間ではない。
この先の目標を見失ったから、今とても苦しい。
安定するためにできることは、ここまで来たら努力しかない。
この先数十年の安寧を捨てることしか方法がない。
というかそれ以外の方法を知らない。
俺には人間関係における重要な能力がない。
それを磨こうとしなかった。
磨く過程での人間との関わりが至極鬱陶しいからだ。
人間関係は、果たしてこの塵の様な人生の、何らかの足しになるのだろうか。
ああ、何か、最近、何に対しても否定的だ。
癖になってしまった。
前向きに考えることに対して嫌悪感がある。
前進することが億劫だ。
下を向いて見たって、苦しいことがわかるだけだ。
正直、生きていること自体が俺にとっては努力だ。
生きていること自体が多大に苦しい。
生きることを否定することは、己を否定することは、
俺の数少ない人間関係を大きく壊しかねない。
それを避けたいとも思うから、何とも矛盾している。
本当に分からないんだ。
俺は何がしたいのか。
何もしたくないのか。
人生に正しさはない。
生きている限り間違いだ。
正しさは受け入れられないが、間違いという思想には至極共感する。
これまでの目標も、どこか盲目的すぎたのだろう。
結局、これまでやってきたことは安定から遠ざかることだった。
こんなに苦しくても、心は壊れてくれやしない。
全く、我ながらなんて頑丈な心身を持ったものだ。
来年死ぬと分かったなら、何かに没頭してみたい。
この先の人生も人間関係も、全部忘れてやりたいことをやるのだ。
日本中を旅して回りたい。
行く先々で、なんでもない文章を書きたい。
作詞なんかしても面白いかもしれない。
世間体があると、何もできない。
俺の本当にやりたいことは、きっとわからない。
こんな俺でも、死ぬと悲しんでくれる人が大勢居る。
至極有難いことだが、それゆえにしがらみだ。
俺は自分で死ぬ事もできない塵だから、
俺を魅了して止まないような人に殺されるなら幸せかもしれない。
生きることはこんなに苦しいのに、
死ぬことはなぜこんなにも怖いのだろう。
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