2021-02-07
叶わなかったことは、幾らでも美化できる。
現状が詰まらないから、甲斐性がないから、
今とは違う選択を無粋に美化して羨望することができる。
そうして虚飾したその世界は、恐ろしいほどに美しい。
これまで叶わなかったことの大半を叶えることができる。
俺には才能が無かったというだけの貧しさがあったという自信がない。
恵まれなかったというほど愛に不足していたとも言い切れない。
きっと、それなりに恵まれて居た。
それなのに、後悔することばかりだ。
生き方を間違えたと思うことは星の数ほどある。
一時、信念を持って生きたことがあるが、その時の自分に合わせる顔がない。
俺の幸せを願ってくれる人にも、合わせる顔がない。
俺は、一生幸せになんてなれやしない。
何が足りないのかも分からない。
判然としない。
俺は、果たして、現状から何が変われば、
今よりも、ほんの少しだけでも、上向くことが出来るのだろうか。
前向きになりたいと思うことも、よく嫌悪感の対象になって仕舞う。
以前それを見つけることが至上命題のようなことを書いたが、
どんどん、大事なことが曇ってゆく気がする。
大事なことが何かも満足に言えないのだが。
人間関係は、全てを曇らせてしまう。
人間関係に生きがいを見出したくない。
でも、人間関係は、時に心地いいことがある。
至極腹立たしいことに、心の支えに成ったりする。
でも、人間関係は、時に非道く俺を裏切る。
至極素晴らしいことに、心を大きく抉ったりする。
嫌なことは、俺には承認欲求があるということだ。
人間が嫌いだといっても、人間に認められたい。
人生における努力では、勉強では、大した承認を得ることはできていない。
努力の先に待つのは、さらなる努力に他ならない。
勉強、仕事においてそれを知ると、もうその先を目指す気力などなくなる。
だったら、好きなことでその先を目指せばいいのか。
残念ながら、生きる為には金が要る。
金は、仕事でしか稼げない。
仕事は、往々にして人間のためにやらなければならない。
人間に奉仕しなければ、金は得られない。
汚い向上心の残り香か、停滞することが怖くて仕方がない。
停滞しないため、向上するための行動は、
今の俺の価値観ではとても汚いものに見える。
板挟みだ。
色んな思想の相容れない部分だけ摘んで、
意味の分からない、躓かなくてよい場所で躓いているだけだ。
惨めに這いつくばっているだけだ。
そんなことが分かったところで、俺はどうしようもない。
何事にも、正しさなんてものはない。
純然とした綺麗な理論があることを信じたい。
向上心は嫌悪するべき気持ちの悪いものだ。
停滞することはとても辛い。少しでもよくなりたい。
頭がおかしくなりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます