2021-02-01
辛いと思う事すら憚られる。
どうせ、この世には俺なんかより辛い思いをしている奴が山ほど居る。
俺が仮にこの状況を辛いと言ったって、そんなものは甘えだと一蹴されることは明らかだ。
世の中は、人に優しくない。
圧倒的に、ただ圧倒的に生きづらい。
人間と共にあることは、思ったよりも我慢の連続だ。
俺が他人の指摘を二つ返事で肯定してしまうせいで、
日々我慢することが増えてゆく。
君達の強烈な正しさに、俺の思考は焼かれてゆく。
俺の気持ちは嘘であり、我儘である。
君達の意見は正しくて、傲慢だ。
君達のその譲歩は、結局何の慰めにもなってくれない。
どうあっても逆転しない状況下にだけ、君達の譲歩はある。
それは寧ろ、負けた俺にとっては侮辱の様なものだ。
自分の我儘を通しておきながら、
何故俺の意見を今更のように噛み締めたりなどするのだ。
君の我儘を通してやったのに。
今更、今更、今更そんなことをされたって、
本当に腹が立つだけだ。
どうして、俺はこんなにも生きるのが下手なんだろう。
幸せになりたいと抵抗なく思えたら、
人間と触れ合うことに生きがいを見出せたら、
あの時虐められたりなんかしなかったら、
これ迄の積み重ねを信じて努力を続けようと思えたら、
思っていることが素直に人間に伝えられたら、
もっと他人に優しくなれたら、
生きることに前向きになれたなら、
近くにある幸せに満足がいったなら、
変な向上心と反骨心を持っていなかったら、
彼等の音楽になんか出会わなかったら、
何かを生み出すことができたなら、
他人の思想に影響されやすくなかったら、
他人の生活音が気にならなかったら、
お金を持っていたら、
努力なんてしなかったら、
もう少し、何となく、生きていても苦しくなかったのではないだろうか。
別に仕事を辞めても、
静かな場所に引っ越しても、
努力を放棄しても、
努力に執着しても、
幸せになりたいと思っても、
創作に精を出しても、
お金を持っても、
安心なんてどこにもないさ。それは分かっている。
でも、これまでと違う状況の中に、何かしらの安心があると盲信しなければ、
この世はとても生きていけない。
誰かに認められるわけでもなく、己も認められない俺は、
そういう場所に希望を持たなければ到底駄目だ。
これは破滅的思考だ。分かっている。
だが、それが駄目であるならば、代替できるものを俺は知らない。
だから、もうどう仕様もないのかも知れない。
誰にも理解されることのない思考だし、
誰からも嫌われる思考だ。
やめた方がいいと、それでは幸せになれぬと、
耳が痛くなるほど言われた。
なあ、だったら、俺に安心をくれよ。
君には難しいだろうが。
絶望、絶望、絶望に加えてさらなる絶望だ。
何にも拭えないほどに、何も見えない。
終わった方が未だ増しだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます