2021-01-24
己の思考の根拠となり得る、何か絶対的なものが欲しい。
今は失って仕舞った、行動における信念が欲しい。
昔は、勉強をすることが唯一絶対の正義だと信じて居た。
だから、半日だって勉強漬けになることも厭わなかった。
今の俺に、当時の努力を再現するだけのモチベーションは、ないと思う。
思考のよりどころを失ったから、同じ所で堂々巡り。
正義がなくても、正しくなくても、信じるものがあれば人間はああも動ける。
中途半端に何も知らないままの方が、よほど幸せに生きることが出来る様に思う。
それが人間的にどうだとかはどうでもよくて、
俺がただ一つの我儘を信念として認識できる様な、
何か暴力的なまでの依代を見つけたい。
それを月明かりと形容するのは、少し傲慢だろうか。
月明かりは、少なくとも俺にとっては、綺麗なものであって欲しい。
人間に依らない強さを、美しさを、孕んでいて欲しい。
人間としてそれなりに成功する道から逸れて、
出来損ないへ向かうのだから、それくらいのものを見つけねば、張り合いが無い。
身に余る贅沢なのだが、俺の親近なる人は俺の幸せを願ってくれる。
俺がもし、己の状況を幸せと形容することがあるのならば、
彼等に向けてのものになるだろうと思う。
彼等には、無償の愛という偉大なものを注いで貰ったという恩がある。
恐らく、それは返そうとして返せるものではない。
だから、少なくとも、俺は彼等の前では幸せで居なくてはならないと思う。
負け犬として、幸せに成れないまま、幸せを騙るのだ。
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