2021-01-08

思い出にこそ価値があるし、それだけが人間において不変のものだ。


人間は、どれをとっても不確定な要素ばかりだ。

自我が、意思がある所為で、日ごとに違う状態になってしまう。

そもそも人間自体に価値を感じないが、

俺等の不確定な情緒や信念は、一番嫌悪するところだ。


しかし、思い出は、過去のことは、一転して不変のものだ。

思い出は、当人の記憶に、当人にとって綺麗なように残ることができる。


彼が綴ったように、「思い出だけが本当」なのかは分からない。

しかし、思い出は、人間の他のどんな要素よりも美しい。

いや、思い出は美しくある事が出来ると言うべきか。


変化するものは、殊人間においては、ほとんどを占める。

だからこそ、嫌いだ。

人間は、嫌いだ。

俺は、上手な生き方が分からない。

君達のように、幸せを信じることができない。

俺を負かしたのは、君たちの癖に。

幸せになる事だけには熱心な君達が羨ましい。


恐ろしいまでの空虚だ。

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