2021-01-08(2)
君達の云う、愛という言葉が嫌いだ。
君達の愛は、とても安っぽく、移ろい易いものだ。
器用だから、人生のうちで沢山の人間と愛し合い、
それら全てが彼等にとっての愛であるようだ。
俺にとって、愛とは、本当にあるとするならば、
其の様な陳腐なものでは無い。
どんな逆境でも、どんな苦境でも、
ただ一心に相手を想い、尽くし果てる様なものではないのか。
惚れた腫れたの恋愛ごっこ風情が、到底辿り着けない領域に、愛はある。
それほど重いものだと思うから、俺は人間を愛せないと思う。
俺は、我儘だから、全てを擲って人間を想うことは出来ない。
だから、できる限り愛は騙らない。
その上で、君達は何故其んなに愛を求めるのだろう。
何故人間と共に在ることを望んで止まないのだろう。
君達の云う愛は、二人の関係を盛り上げるための、
謂わば舞台演出の様なものでしかない。
運命だの必然だの、君達に限ってそんなものは無い。
一秒一瞬たりとも、相手のことを嫌悪しない関係があり得るか?
俺は無いと想う。
そして、その様な関係でしか、俺の信じる愛は成り立たない。
人間如きに、愛が成せて堪るものか。
君達の愛など、寂しさを紛らわす為のインスタントな感情論だ。
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