真実は突然に3
「晴乃ちゃんはさ、楓とどこで出会ったの?」
時子叔母さんは日暮さんにそうきいていて、本当に知り合いなのならそのくらいは話しているのではないか、と関係を少しばかり疑った。
「えーっと、出会ったのは学校ですけどそういうことではないですよね?」
「そうそう、いつから話すようになったのかだね」
「だって~」
日暮さんは笑みを浮かべながらドア付近にたっている僕を見てきた。
なんとなく不愉快ではあったが僕が説明することにした。
一度、日暮さんの隣の椅子にこしをおろし時子叔母さんに説明した。すると、思っていた通りめちゃくちゃ笑っていた。
勿論、痴漢のところは笑っていなかったのだが僕まで捕まったとしってもう大爆笑だ。
そして、その現況である日暮さんも一緒になって笑っていたのだ。
この二人が僕の大切な人だと思うのは考え直した方が良いのかもしれないなんて、思ってしまうがそれもまた心地好さになるのだから目を瞑ることにした。
一通りの笑いがおさまると時子叔母さんが口を開く。
「でも、仲良いんだね。楓なんて真っ先に晴乃ちゃんの隣の椅子に座るし」
ニヤニヤと色気付いた叔母さんに真意を聞かせてあげなくてはならない。だから僕はありのままの考えを口にした。
「時子おば、姉さんの隣は普通に嫌だし、それにプラスして日暮さんのうざい笑顔が見えるっているおまけもついてくるだろ。だから消去法でこの椅子が一番良い」
「あんたわざと叔母さんって言いかけてない?」
そこかよ!
内心突っ込んでしまうくらいに論点がずれている。もうだめだと諦めていると今度は日暮さんが話し出す。
「時子さんは優しくて美人さんだし。私だって友達たくさんいてそれなりに普通だし。まあ、消去法で一番うざいのは楓君だからね」
そんな所を根に持たれてうざがられても普通に困る。いや、たぶん僕が一番うざいことに変わりはないのだろうが。いや、もうそれでいい。
日暮さんや時子叔母さんを二人同時に相手したところで僕が降参するだけ。それならもう諦めてしまうのが利口だろう。
そして更なる地獄は僕を待ち構えていた。
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