圧。

不意に身体が重たくなる。


比喩ではない。

何かがのしかかるわけでもない。


地球の重力が増すかのように。

ただ一挙手一投足だけが重くなる。

自らを保ったまま、日常のまま。

周りの速度は変わらない。

自分だけが緩く重く。

藻掻いても振りほどけない圧力に泣きながら歩く。

傍から見たら酷く滑稽な姿だ。


傍から。


その感覚を掴んで目を覚ます。


ごろりと寝返りを打ってベッドから起き上がる。

夢の中とは打って変わって驚くほど軽やかに歩き始める。

喜びをかみしめるため、そんなだったらよかったのに。


重くなった頭に気が付かないように水をあおるためだなんて考えたくもない。


(暗転)

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