空想で腹が減る。
「お腹空いた…」
空腹。
文字の通り、腹の中が空っぽになった時に陥る現象。それが本来の言葉の持つ意味ならば今の言葉は嘘っぱちだ。
というのもつい数分前に俺はどんぶりいっぱいのカツどんを食べたばかりだから。腹の中にはかみ砕かれてはいるもののまだ消化途中のカツと白米が所狭しと残っている…はずだ。
脳を通らないで脊髄で喋っている感覚。どうやら俺は今腹が減っているらしい。
暴飲暴食は自傷行為と同じだって最初に言い始めた人のセンスを俺は尊敬する。食べてる間はただただ幸福感に浸れるが、食べ過ぎは命にだって直結する。毒のように体を蝕む時限式の命への爆弾。
分かってる。分かってるけれど。
食べないとやってけないはデブの戯言か。
自らに甘い自分に幻滅しながらも、俺は棚に常備している菓子に手を伸ばした。
(暗転)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます