孤独の城。

随分と大きくなったものだ。最初は何もなかったはずの地に足をつけて空を見上げると視界いっぱいに大きくそれでいて歪な城が映る。

孤独が積みあがって出来上がった城はカラフルで、それでいてモノクロで。所狭しと並んだ幻想が形を成したモノは今にも崩れてしまいそうなほど稚拙。静寂に包まれた空間では自分の血流の音が耳鳴りのように纏わりつく。


立派に創ったつもりだった。鮮やかに彩ったつもりだった。

豪華にしたかった。賑やかにしたかった。


それでもこんなにも見苦しいものに成ってしまっただなんて。

きっとこれは驕りのせい。一級建築士の資格なんてないのに、ただの紙切れに踊らされて驕り高ぶって。


歪な城は誰のせい?

中途半端な孤独で創り上げたせい?


これは…この城は。

ちっぽけな私の世界。


(暗転)

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