第6話 生きる事

育った環境が最悪だった

家庭は荒れすさんで、毎日、両親の喧嘩

怒鳴り散らす父親の声

時折、泣く母親

父親は、家庭放棄で女狂い

たまに家に帰っては、母親のやる事に

気に入らないと腹を立て、暴力もしばしば

怒鳴り散らす声を聞きたくなくて、耳を塞いだ

ここから出たい、誰か助けて

そんな思春期を過ごし、精神が病み

どうやって死のうかと、そんな事ばかり考えて生きるようになっていた

何度、自殺しかけただろう

母親は、自分を心療内科に連れて行き

下されたのは、適応障害に注意血管多動性障害

ほぼ、ノイローゼ状態に落ち入り

もらった睡眠薬を全部飲んで、死のうとしたけど

死ななかった

訳もわからず、泣き叫ぶ事もあった

いつしか、そこを超えて、落ち着きを取り戻し

とにかく家を出たかった

高校生で好きな人ができ、相手は17歳上

大人になり、タイミング的に結婚して、家を出た

でも、甘かった

そんな結婚、うまく行くはずもなく

5年目に入ろうかというころ、離婚

原因は、姑からのイビリと

元旦那からのDV、まあ、殴られたの一回と

ほとんどは、私を信頼する事も信用すらされず

私の行動を、逐一束縛

じゃ、なんでお前は私を選んだんだ!と腹立たしくもなる

それはさて置き、息子を1人授かり

息子にも虐待される始末で、結果は離婚

死にたいという思いで、妊婦時代を過ごして

産んだ我が子を守るため、仕方なく仕事もしていなかったため

実家に戻る

どうにもならなくて、もがきにもがいた

息子もまた、小学生で、自閉症スペクトラムと注意血管多動性障害が判明

そこからの子育ては、地獄の日々

理解出来ない我が子に、どう教えればいいのか

悩みに悩み、怒鳴り散らす始末

これじゃ、母子共に死んでしまうかもしれない

とにかく、家の中は荒れ放題

父親は、孫が出来たからか

女遊びをやめ、家に入った

まあ、まともな父親じゃないから荒れ放題なのは相変わらずですが

そんな私を、支えてくれた人がいたから

私は何とか、自分を持ち堪え、子育てをし

子供のために生きようと、必死になった

そうして、今、いろいろな人や本で学んだ事を活かし

子供と、とても良い関係を作れている

こんな私だから、思えるようになって気づいたんだけどね

子供のために生きようとか、何かのためとか誰かのためとか

それって、結局、人任せや人のせいにしてるのと

同じ事のように、思えたんだよね

生きるって、自分が生きてるから、生きるのであって

誰かや何かじゃないって事だと、思うんだよね

生きてるから、生きようとする意思

生きてるから、何となく生きてきた自分が居た事に

今更ながら、気づいたんだよね

生きるために、生きよう

そう思えるようになったのは、成長出来たのは

我が子と大切な人のおかげ

こんな私を、本当に愛して大切にしようと

日々頑張っている恋人のおかげ

我が子を、理解出来る様にしようと、模索してきたおかげ

だから、私は自分の人生を、自分で生きなきゃ

生きるために、生きる

それは、愛する人と、同じ方向を見て歩む事であったり

我が子の人生を、共に歩み、我が子の心を成長させていく事でもある

それだけじゃない、沢山の、私と繋がった人達と共に

共有し合い、与え合うためでもある

互いに成長し合うという事

それは決して、誰かのために生きる事ではなく

自分の人生を自分で生き、その中で、誰かの役に立てるという事

それが、生きる事なんじゃないかと、思うんだよね

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