第673話 どんな魔物なのか
「ウインドドラゴンは『風のダンジョン』の最深部でしか竜の姿を維持できないの。最深部以外では
そうシャーロットに言われてもすぐにはイメージできないミナト。
デボラ、ミオ、ナタリアは世界の属性を司るドラゴン、オリヴィアはフェンリル、ピエールはエンシェントスライム、ロビンは
そんな身内も含めて数多くの魔物を目の当たりにしてきたミナトだがまだ妖精の類に遭遇したことがない。
「えっと……、
序盤はミナトの思う一般的なファンタジーな妖精だったが後半は著名なバレエ作品に影響された特徴を言ってみるミナト。気付くとシャーロットとファーマーさんが絵に描いたようなという表現がぴったりなほどの怪訝そうな表情と共にこちらを見ている。
「ミナト……、あなたのいた世界の創作物に登場する
「いやはや……、いったいどごでそった話聞いでぎだのだが?」
ジトっとした視線と共にそう言ってくる美人のエルフとダンディな神父様。怪訝な表情もとても絵になるのが美人とイケオジの凄いところではある。
「それはバレエってジャンルの作品で古典的な物語なんだ。
特にシャーロットの視線から逃れるようにそう言い募るミナト。
『パリのオペラ座で観た公演はすごかった』
などと少しだけ過去の思い出に浸っているのは秘密である。
するとシャーロットはため息と共に、
「あなたのいた世界って本当に想像力が豊かだったと思うけど、あなたのイメージとこの世界の
半ば呆れたように言ってくる。
「いたずら好きで恥ずかしがり屋なのに好奇心旺盛ってところは……?」
思わず即答で聞き返すミナト。むしろそのあたりが
『ま、まあ、後者の方がずっとトボけていて下品だったりするけど……』
そんなことを考えているミナトに、ずずいっと詰め寄る美人のエルフ。ちょっと威圧が出ている感じがする。
「ミナト、
「たしかに……?」
シャーロットの威圧に冷や汗を流すミナトへさらに詰め寄る美人のエルフ。
「ウインドドラゴン……、というか
「ワカリマシタ……」
にっこり笑うシャーロットにそう答えることしかできないミナトであった。
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