第652話 不穏
星
ミナトたちF級冒険者パーティ『竜を饗する者』が護衛を務める星
元々、星
そうして意気揚々と星
「シャーロット、マリアベルさんは気付いていたんだよね?」
ミナトの問いかけに頷きつつ、
「そうね。
そう答えるのはシャーロットである。
「王都の街道は比較的安全か……、里に向かうときは間違いなく安全だったのに……」
これまでの四日間を思い出してミナトがそう呟くと、
「明らかに何者かの作為を感じるわね」
不快感を滲ませつつシャーロットがそう言うと、
「マスターを狙うとはなんと愚かな連中なのでしょうか〜、これは首謀者に一太刀入れないと気が済みそうもありません〜」
「ナタリア様の剣など畏れ多いです。私の爪で十分です。美しい四枚下ろしにして差し上げましょう」
『ワタシが溶かせば証拠は残りまセンヨ〜』
今回の護衛依頼に参加しているナタリア、オリヴィア、ピエールもそう続ける。
往路におけるトラブルらしいトラブルが森の中で絡まれた冒険者っぽいならず者の一件だけだったため、ミナトは復路をとても楽観視していた。護衛任務を無視することはできないが居並ぶパーティメンバーが強者ばかりのため夜などは交代で王都に戻れそうだとも思っていたのである。
しかし現実はミナトの予想と大きく異なるシナリオを用意していた。
森では多数の魔物に襲撃され、街道に出てからは毎晩のように刺客が送り込まれてきたのである。
ここまでの四日間はミナトたち自慢の索敵能力で星
戦闘ではピエールの分裂体を中心に処理する形を採用し、表面上はミナトたちには何もトラブルが起こっていないという状態を維持している。
そうして分かったことはどうやら魔物や刺客は星
「首謀者はおそらく往路で絡んできた冒険者の雇い主かそれに連なる者……、かな?」
「そんなところでしょうけど……」
ミナトの言葉にそうシャーロットが返すが確証はなかった。試しに一人捕らえてシャーロットが魔法でいろいろと問い詰めたが何も情報は持っていなかったのである。
鬱陶しいので王都に
「ピエールの分裂体に王都へ戻ってもらってデボラから冒険者ギルドのカレンさんには報告してもらっている。王都に戻れば何か情報が集まっているんじゃないかな?まずは何事もなかったという形で王都に帰ろう」
全ては王都に戻ってから……。護衛は夏祭りの期間中続く。まずは星
「そうね。街道に出てから魔物は少ないし昼間は刺客も少ない……、ってあんな数の刺客が行方不明になったらさすがに刺客を依頼された側も断るんじゃないかしら?」
シャーロットそう返すと、
「一人ぐらいは見せしめにしたいところですが、今回は我慢します〜」
「首謀者については私にご命令を!」
『王都まで護衛ガンバリマス〜』
ナタリア、オリヴィア、ピエールがそう言ってくる。
ミナトはシャーロットに同意し、好戦的なナタリアとオリヴィアを宥め、ピエールに王都までの活躍をお願いするのであった。
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