第651話 目指すは王都
翌朝……。
ここは星
星
そしてそんな八人の護衛として依頼を受けたF級冒険者パーティ『竜を饗する者』、ミナト、シャーロット、ナタリア、オリヴィアである。ピエールは今日も漆黒の
「いい……、天気で……、よかったですね……、あは……、あはは……、今日も太陽が眩しいな……、光って……、こんなに重いんだ……、きっとニュートンもこんな経験から光は粒子って……」
里の面々を前にして、げっそり……、という表現があまりにも的確なほどに憔悴しきったミナトが虚空を見つめながらそんなことを口走っている。腰に力が入っておらず膝も小刻みに震えており、立っているのもつらそうだ。
「ミナト殿?シャーロット様、ミナト殿は一体どうされたのですじゃ?昨夜は何事もなくお休みになられたのでは……?」
「ど、どうしたのかしら……。私は何も知らないわよ?きっと悪い夢でも見たんじゃない?」
問いかけてくるマリアベルにそっぽを向いてそう答えるシャーロット。夏の陽光に照らされる美しい金髪は瑞々しく、その白い肌はいつにも増してキメ細やかでプルプルでツヤツヤである。
『シャーロット様〜、いくらなんでも激しすぎです〜。マスターがもちませんよ〜』
シャーロットにそう念話を飛ばしてくるのはナタリアだ。茶色の長髪を風に靡かせつつ浮かべる笑顔はいつも以上の充実感を思わせる。ちなみにこちらのお肌もいつにも増してキメ細やかでプルプルでツヤツヤである。
『ナタリア……、あなたの膂力でミナトを抑え込んで好き勝手やっていたことを忘れたわけじゃないでしょうね?』
『なんのことでしょ〜』
シャーロットの言葉にしれっとナタリアがそう答える。
『あの……、お二人ともやりすぎではないかと……』
そう念話に割って入るのはオリヴィア。彼女の銀髪もいつ以上にツヤツヤのキラキラである。褐色の肌も輝きが増しているようだ。
『人の姿になってケモ耳とシッポで誘惑するオオカミは黙ってなさい!』
『やはりあれは反則です〜。フィンさんの部下もまとめてきちんとオハナシする必要を感じます〜』
ぐりん、そんな効果音と共に振り向いたシャーロットとナタリアの視線がオリヴィアに突き刺さる。オリヴィアはシャーロットの背後にとてつもない何かを、ナタリアの背後に巨大な竜を見た気がした。
『みんな一緒で楽しかったデス〜』
いつも以上にその漆黒具合に美しいツヤ感を出しているミナトの
『ピエールちゃん……。やっぱりお姉さんはアレはやり過ぎだと思うの……』
怪訝な表情を浮かべるマリアベルを尻目にあれやこれやと念話を重ねる美女達。そして……、
「マリアベル!ミナトは大丈夫!さあ、出発しましょう!」
シャーロットの言葉により、一行は王都へ向けて出発するのであった。
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