第414話 ギルドからの依頼
冒険者ギルドのホールでミナトに声をかけてきた二人の女性。カレンさんだけだと思っていたミナトだが、
「あれ?冒険者ギルドにロビンがいる?」
「吾輩は間違いなくロビンであるぞ?」
可愛い胸を張って堂々と言ってくるロビン。
「シャーロットたちと一緒じゃなかったの?」
「吾輩が直接あそこの防衛機……、ごほっ、ごほっ、す、すまぬ。何でもないのだが……、も、もちろんシャーロット様からも本日のことは了承を得ておるぞ?」
ミナトが王都に東にある大森林の最奥に建てているのは新しいお
「いまとても物騒な言葉が聞こえた気もするけど……」
「な、なんのことであろう?吾輩にはよく分からぬが……」
ジト目でロビンを見据えつつ呟くミナト。その言葉に冷汗を流しつつなんとか否定するロビン。
『ま、聞いても教えてくれないよね。シャーロットも秘密って言っていたし……。ムリに聞き出したり、内緒で見学とかに行ったら……、みんなと
ミナトが使う【闇魔法】である
【闇魔法】
全ての音や生命反応を感知不能にする透明化に加えて
だがステータスの説明文にあるように
『自分の家が建てられてゆく過程を見るのがこれほど楽しいとは思わなかったって剣客を商売にしていた親子の父親の方が言っていた気がするし、ちょっと見てみたかったけど今回はシャーロットたちにお任せだ』
改めてそんなことを考えるミナトであった。
「それでロビンはどうしてカレンさんと一緒に冒険者ギルドに?」
やっと本題に入るミナト。
「はい。ミナトさん達が活躍された南のダンジョンについてです」
ミナトの問いに笑顔でカレンさんが答える。
「第五階層へと降りる階段付近に王城から派遣された騎士様の常駐が決定しました。既に派遣されている状態です。これで状況が整いましたので今回は試験的という形になりますが、第五階層でロビンさんに冒険者さん達の戦闘訓練をやって頂こうということになりました。つきましては今回の訓練の立会人をミナトさんにお願いしたいとなった次第です」
「立会人?別に大丈夫ですがそういうのって高ランクの冒険者が請け負うものだと……。私の階級で大丈夫でしょうか?」
そう返してみるミナト。一応、ミナトは最下級のF級冒険者なのだ。
「この王都で活躍する冒険者さんで、ミナトさんの実力に疑いを持つ人なんておりませんから」
とびっきりのいい笑顔でそう返してくるカレンさん。
「それに今回は王都でも上級とされる方々をお連れ頂く予定になっています」
そういうカレンさんに促されてギルドの会議室へと移動するミナトとロビン。
「こちらが今回の戦闘訓練に参加される冒険者の皆さんです」
『なるほどね……』
カレンさんの言葉に心の中でそう呟くミナト。その会議室に集められたのは、
「ミナトさん!よろしく頼むぜ!」
そう言ってきたのは王都で活躍する四人組のB級冒険者パーティ『
「宜しくお願いします」
そう言ってシスターのような装いとフードを目深に被った状態で挨拶をしてくるのはA級冒険者のティーニュ。彼女は女神の二つ名で呼ばれる有名な冒険者で、ルガリア王国の二大公爵家の一つであるミルドガルム公爵ウッドヴィル家や王家からの信頼も厚い冒険者だ。ソロでの活動が中心で対人戦の強さには定評がある。
「今回は試験的な運用ですからミナトさんもご存じの上級冒険者の方に参加をお願いすることになりました。『
カレンさんの説明に頷くミナト。今回の参加者が顔見知りであったことで、
『無用なトラブルはなさそうだ……』
そう安堵するミナトであった。
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