第8話 魔獣
結局、喜ぶ『ごぶりん』たちの
熱狂的とでもいえる彼らの喜びに
とはいえ、魔獣退治の話も頭目との会話では、私に
彼らの仲間の一人を助けるため竜に変じて獣を追い払ったからか、どうも彼らは私を
――それを、彼らは『どらごん』と呼んでいるが。
竜は竜でも、
だが、まあ……頼られるのは存外悪い気持ちではない。
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言葉の通じる頭目以外の彼らが何を言っているのかは分からないが、頼られることにある種の快感を覚えた私は、魔獣退治の件を安請け合いすることにした。
彼らへの手助けというより私主体での魔獣退治の様相を
神頼みのようなものだ。
そんな経緯でもって、私は魔獣の巣とやらへと、やって来たのだった。
巣とは言っても、ただの大きな洞窟である。
『ごぶりん』たちの話では、魔獣というのは野牛のような巨大な体で、恐ろしい力を持つという。
よほど恐ろしいとみえて、案内役の者は誰一人として洞窟へと入ろうとしなかった。
魔獣というからには、先の獣のもっと強そうな物なのであろうが……。
とりあえずは、同じように魔獣も驚かしてしまえば良い。
綿雲の竜とはいえ、その姿をみれば並みの者を圧倒するだけの威力はある。
要は
「……それにしても、本当に私一人だけで洞窟の中に入ることになるとは……」
せめて、お供の一人二人は欲しいところだが、贅沢も言っていられず私は手に小さな
振り返れば少し離れた入り口で、案内役の『ごぶりん』たちが心配そうにしている。
ぎゃいぎゃいと鳴き声のような言葉が分からないのは残念だが、彼らのためにも魔獣を何とかするべく気合を入れた。
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