第32話

「…さて、アダルが失敗したのだからしばらくはあちらには結界が厳重にされているだろう」



たしかに私が仕込んだ他の憑依体とのつながりは完全に消えた


「申し訳ございません。」



「お前を油断させたその子供の話を詳しく聞こうじゃないか」



「なるほど、子供とは思えぬ医療知識…と」



「はい。」



「…その子供の名は?」



「いえ…そこまでは…しかし、以前私が殺したソフィアにそっくりでして」



「…ふむ。こちらの計画を邪魔してくれたのは亡霊となった彼女の仕業か」


「亡霊…?」



「いやこちらの話だ、分かっていると思うが次はないぞ」



「はっ」



そういうとアダルは下がる



「もうすぐ会えるのだな…破滅の姫よ」



そういって眠っていた女性の髪をいとおしそうになでた





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