転生先は亡き王女の器

第30話

フィゼルは近づき私の顔をじっと見た



「…耳の下のほくろ…。ダイアナと同じ水色の髪色…このつむじにそして何よりもこの耳の形は…間違いなくソフィアであるが…このことはディアモンドには言わぬほうがいいだろう」




「何故です?むしろ喜ぶと思いますが」



「…レインは知らないだろうから言っておく。やがて君が成長し今のディアモンドぐらいの歳になった時レインと亡くなったソフィアを重ねて比べるだろう。君を傷つけないためでもあるが同時にディアモンドを守るためでもあるのだよ」


「…ディアモンド様…いえ…ディアを救えるのは私だけですから」



「…そ、それは…ソフィアの…」


「疑わないのですか?私が嘘をついているかもしれないのに」

「ディアモンドをディアと呼んでいたのはソフィアだけだ。それにわしの魔眼の前に嘘は通用しない」


なるほど、素直に信じるわけだ


「私が眠っていた時に聞こえた声です。やはりあれはソフィア様でしたか」



「レインよ、ディアモンドの事情は知っているな?」

「はい、彼が今現在の魔王の息子で、その魔王がディアモンド様を欲しがっている事も」


「…彼女は何と言っていた?」



「神官に会いに行きなさい。君の成すべきことを教えてくれるかもしれない…と」


「神官か…なるほど、神の代行者の彼らが神々の声を聞いているかもしれないな。しかし、少し遠出しているもうしばらくは会えそうにない」



「そうですか…」



「今後の話をしたい、ディアモンドを呼んできてくれ」



そういうと、フィゼルの手元から妖精のような存在が飛び立つ



「妖精?」



「わしの使い魔だ。見た目は妖精だが、妖精ではない。隠し部屋にいるときは思念を送って呼び出してもらっている」


カミーユと同じ存在か、しかも度々の呼び出しに使い魔の姿がなかったのはそういう理由か

「お呼びですか?」



「よい、レインと3人の時は普通にしてなさい」



「はい」



かしこまった感じが抜けてない気はするが



「まずは、国の結界を超えて隠し部屋に侵入された件についてだ。魔王の配下の者がこの国の結界を超えて直接乗り込んでくるとは思わなかった」


「国の結界を超えた件につきましては、先程、交代に引き継ぎを行っている僅か数分の間に侵入されたようです。隠し部屋につきましては調査中だ」


私が眠っている間に調べ上げたのだろうさすが騎士団長だな


「あのー?少しよろしいですか?」



「どうしたレイン?」

「隠し部屋が発見された原因分かるかもしれません」



「なんだと!?」


「あの敵には殺されたばかりの人間の血の匂いがしていました。城内にいる人間の人数を調べてください。兵士も、メイドも全てです」



「わかった」



ディアモンドがそういうとすぐに調査に出向いた




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