第29話

ディアモンドに案内された部屋の間に大きな扉があった

「フィゼル、レインを連れてきた」




「…入れ」




「…っ」



フィゼルを見た時一瞬だが頭が痛くなった


私は彼を知らないはずなのに見覚えがあるようなそんな感覚だ

「どうかしたのか?」



「…いえ、初めましてレインです本日はお招きいただき感謝いたします」


「フィゼルだ話は聞いている。けがの具合はどうだ?」



「ご心配いただき申し訳ございません。けがの方は完治いたしております。」



「よろしい。君の魔力はわしの目で見る限りはディアモンドと同等の魔力を持っているようだ」



「そのようです」



「…しばらく二人にせよ。話がある」



「はっ」



ディアモンドが席を外した


「ディアモンドには話を聞いているが直接君に話を聞きたい、いくつか質問をさせてもらうぞ。君は召喚者と転生者のどちらだ?」


「召喚者?どう違うのですか?」


「元の世界では死んでおらず、そのままの姿でこちらへ召喚された者を指す」


「姿形が前と違う以上召喚者ではございません」


「ふむ、ではディアモンドから聞いていた通りの君が異世界から来た転生者であることに間違いはないな?」


「…はい、間違いはございません」



「…死んだ記憶はないと聞いた。間違いないな?」


「はい、目が覚めたら森にいたことしか覚えていません」

「ふむ、君の目的はなんだね?」

「元の世界への帰還、もしくはそれに近い事を望みます」



「よろしい。君が何か知りたい事はないかね?」



「この質問は、私がソフィア様でない事を知りたいのですか?」



「彼から聞いたのかね?」




「いえ…敵の女が私をソフィアと呼んでいたので」



「…君がもし私の娘ソフィアの身体に転生していたらと思ったんだが」



「これはあくまでも可能性の話ですが、おそらくは私の身体はソフィア様のものであり、ただの他人がソフィア様と間違える程の人間は早々にいないと思います」


「ふむ…」

「国王様、貴方のご息女であるかどうかもう少し近くで確認されますか?」




「構わないのかね?」



「えぇ」


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