第28話
一通りのやり取りを見たディアモンドは一言
「これでよく生きているな君は」
「あ、はは…」
「…ところで扉を作ってカミーユを外へ逃がしたその力で元の世界に帰れるのではないか?」
「…!!!?」
考えていなかったわけではない…
ディアモンドが言うように理論さえわかれば元の世界に帰れるはずだ
しかし
「…確かにディアモンド様が言うようにこの力を用いれば元の世界に帰れるでしょう…ですがそれには膨大な魔力を必要とする。たとえ帰れたとしても術者の肉体が無事である保証はないでしょう」
この扉もそうだが最後に使った蘇生術…この力には闇属性を咄嗟に使ったために反動が来る
無闇に使うと私の肉体が魔王へとなりかねる
「そうか」
少しの沈黙の後ディアモンドが思い出したように話し出す
「病み上がりですまないが国王フィゼルに会ってほしい」
「国王様に?」
「あぁ、時間を使って元々会わせるつもりだったが、緊急事態だったためにすぐに会いたいそうだ」
「分かりました。それでは早速向かいましょう」
これが私が扉の外へ出てこの世界を見る最初の時だった
高そうな装飾品と赤い絨毯が目に入る
流石城の中といえば赤い絨毯なのね
廊下の隙間から外を眺めると街が見渡せるほどの高さに位置していた
普通の人なら絶景だというだろうが私の場合は…
「ひぃっ」
「どうした!?レイン」
「す、すみません…高いところ…苦手で」
「レインにも苦手なものあったのか」
「こういうところを見ているとよく思い出すんです…私の目の前で人が飛び降りる記憶を」
「…そうか…これからはあまり見ないように気を付けなさい」
この世界で生活するのなら慣れなければいけない
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