第26話

「泣かないで…ディア…」


そう言い残して彼女は私の腕の中で冷たくなっていく

「そんなっどうしてソフィア!!」




何…これ…誰の記憶?



「気が付いた?」



「貴女は…私…いえさっきの記憶のソフィア…様?」



「そう、僕はね数年前に長い長い、眠りについたソフィア本人だ」



「…殺されたと聞いています。私は死んだのでしょうか?」

「君はどちらだと思う?」


「確か、私は蘇生術を使って意識を失った…だから」


死んだといいかけたが彼女は首を振った

「いいや、君は驚異的な回復力で命を繋いでる。さっきの記憶は蘇生術…いや魔法を使った代償に僕の記憶をみせた」


「…私に何故そのような記憶を見せるの?」

「今回は特別にボクが肩代わりさせてもらっただけ君の失っている記憶はあまりに闇が深すぎるすぐにでも魔王になりうる存在だ。」



「…そ、そうかな?ってなんで私の失った記憶を知って…」


「ボクが持っている君の失っている記憶は全部じゃない。意図的に盗まれているわ」

「盗まれているって…誰に…」



「ボクの話をよく聞きなさい彼を『ディア』を救って」



それは最期に見せたソフィアの未練のようだった

「私はどうしたらいい?」



「…神官に会いに行きなさい。君の成すべきことを教えてくれるかもしれないわ」



「待って…」





「まって!!」





「レ、レイン!?目が覚めたのだな」


「ディ、ディアモンド様!?す、すみません大声を出して」


いつの間にか流していた涙を無理やり拭って無理に笑おうとする


「い、いやそれはいいのだが…体は平気か?」




「えぇ…。今は何ともないです。それよりカミーユは無事ですか?」



「心配ない今は眠っている。それよりも自分の心配をしなさい。」




「…ごめんなさい」


「いや怒っているわけでは…ゴ、ゴホンそれよりも…気を失う前に何か言わなかったか?」



「あぁ…何か言ったような気がしますけれど…全然覚えてないんです」





「そうか…」



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