第17話

「魔王は連れ去るときに一緒にいた大事な人を殺してから連れ去るとされているが今のところ君は闇属性を持っている事しか当てはまっていない…万が一記憶を取り戻せばどうなるか…」


恐らく、私の記憶が戻ればその条件も満たされる可能性があるだろうということを言いたいのだろう


「ご心配していただいてありがとうございます。」




「とはいえ、君は光属性の魔法も使える。魔王は光属性の人間は近くには置きたがらない。魔王になったという話も今のところない」



なるほど、光属性持ちの人間が魔王になったという例もないわけだ


もしかしたら方法さえわかれば私が彼の父を助けられるかも知れないと


一人納得していた


「何を企んでいる?」


「魔王に連れ去られた人は魔王に操られているだけ、ならば連れ戻して魔王になった貴方の父を引き離す方法はありますか?」



「なっ!?何を馬鹿な事を」



「簡単な事ではないことはわかっています。その為に何かを犠牲にするかも知れません。ですが救える命なら魔王を倒すのでなく救う方法を見つけたいのです」



「私には救う方法はわからない。だが今後の参考にはする。」



「私がお役に立てれば幸いです」



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