第12話

「そちらの世界も大変だったのだな?で、うるるは一体いくつで医者になったのだ?」




「えーと…18くらいですかね」



「…それだとさっき言っていた事と違うぞ?医者というのならその義務教育とやらを9年受けた後高校を3年と大学を4年通い卒業しなければいかんのだろう?」



「私は飛び級で義務教育を終え、私が14の時に医師見習いの訓練校に入れられて4年で大学とほぼ同等の知識を得ました。普通の子供のように遊んだりお話ししたりする時間すらなかった。幼かった私には選択肢はありませんでした。ですが両親を恨んではいません」



「すまないことを聞いた」

申し訳なさそうに彼が謝るが謝る必要が何処にもない


「い、いえ…!何で謝るんですか」



「それで君の勉強にはいろうと思うのだが…」




「それならもう大丈夫ですよ。ディアモンド様がメモしているのを横から見て大体の言語は把握できました」



私はノートの隅っこにかかれたこの世界の文字を指さしていた




「なっ!?たったこれだけで?」





「はい。私が教えているときに翻訳した文字を読み取って理解しましたが。外ではやらない方がいいですよ。」



「気を付けることにする…」




「すごいわっうるるって天才ね!」



大はしゃぎのカミーユの言葉に固まるうるる




「…ないで」




「…どうかしたの?」



「天才って…言わないで…」




静かに泣く私をカミーユがおろおろしていた




「皆が言うのです天才は勉強しなくていいねって、いつもそう。だから私は皆からずっと離れて…」



「確かに君は天才だ」



「だから天才って…」



「だが天才であってもこうして傷つき泣いている一人の女の子だ。それをとがめる人間はここにはいない。今はこの世界にいるのだから」


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