第7話
「すみません…」
「いや君が悪いのではないのだが…ところで例の薬だが自由自在に記憶を消せるのか?」
「…?いいえ、消せるのはせいぜい数時間前までです。薬の量によっては1日過ぎてもできますがそれだと丸一日寝込むことになります」
「ならばあの写真が撮られたときには君が作ったという薬が完成していたことになるが…」
「そうですね。あの薬は私が幼いときに偶然できた薬です」
私が苦笑いするとディアモンドは考え込んでいた
『それは本当に偶然なのか…?』
と彼は考えているのだろうな
作った経緯までは思い出せないが確かに偶然作ったにしてはできが良すぎる…と
恐らくそれに気づいた時私が嘘をついていることもばれてしまうと思い咄嗟に話を変えた
「…それでですね私元の世界に帰ろうと思うんですが、私に何があったのかを知るために」
「一体どうやって?君の肉体は既に死んでいるのかもしれないんだぞ」
今の私にできないことくらい知っている
「そうですね…ですが。この体で移動すれば問題ないかと、こう魔法で異世界に…」
「非常識な…」
「ですよね…前の世界でも言われた気がします」
「だが、できないという証明もない…国王に君の事を話すついでにその事を話すがそれでもいいな」
「国王…?ディアモンド様の父親ですか?」
何かまずい事でも聞いたのだろうか彼は少し眉をひそめた
「まぁ保護者のような存在だ。この部屋は好きに使ってくれていい。だがこの部屋からは決して出るな。カミーユ、留守を頼んだぞ」
「かしこまりましたご主人様」
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