第18話 忍びが正面から戦う理由

忍びが正面から戦う理由




『たすけて、皐文』


そんな念話が飛んできたのは、僕が海の方に皆を逃した時だった。


『どうしたんだい、アミ。君らしくないね』


『体が言う事聞かないんだ! どうすればいい? このままじゃウエアを殺しちゃう!』


『原因はわかるかい?』


『おそらく、空から降りてきた男の命令に体がしたがっているんだと思うんだけど、なんでこんな事になっているのかな!』


『分かったよ、助けに向かうよ。僕たちが最初隠れていた岩の裏に行くから、なんとかそれまで戦っていてね』


『うん、ありがとう。でも、そっちにその男が向かっ行ったから、なんとか食い止めないと!』


『なら御免、撤退地点まで逃がしてから、向かうよ。そして、その男とは僕が対峙する!』


「皆、海に逃げるよ。船を出せる子はいるかな?」


「あ、飛龍と蒼龍が出せるよ。でも飛龍、戦えないよ」


しょぼんとしながら、飛龍と名乗った少女は答えてくれた。


「いざという時しか戦いにならないから大丈夫だよ。だから、出してもらっていいかな?」


「う、うん」


「あ、蒼龍もいるんだよね? なら、両方出しといて」


「両方? あ、そういう事かな? うんやってみるよ」


「後、空母の方には人を乗せないようにして、飛龍のほうは乗っていいけど」


「ああ、任せとき。その辺はうちがみんなの世話をするわ」


じゃあ、ここは礼華に任せよう。僕は、


「正面からぶつかるのは得意じゃないけど、しょうがないよね」


此方に向かって銃を構えている、バイクに乗っている男を倒す! まずは、僕の後ろに氷の壁を張る! 


「ほう、先に仲間を逃がすか。よかろう、儂は追わないでおいてやろう」


「てことは、他のやつらは追って行くんだね」


「いや、待ち伏せてある」


「早く助けに行かないとね! という事で、早く倒すよ!」


「ふん、大きく出たな。じゃが、儂を倒せると思うてか!」


うん、かなり厳しいだろうね。けど、助けるにはそうするしかないんだ! だってこのまま僕が逃げたとしたら、僕を追わずに、皆のほうに行くだろうしね。とりあえず、苦無で、バイクを狙う! よし、エンジンに当たった。


「ふん、足を先に潰すか」


「イタ! これは、かなり、痛いね」


 銃で、3発撃たれたのと、苦無投げたのが同時かな? こっちは攻撃手段の、腕を撃ち抜かれた。まあ、動くけど、痛い! でも頑張って戦わないと! 銃を構えた瞬間に、ジャンプして、回避、けど、このままだと着地したときに狙われるね。なら! 羽を生やして空に逃げる! 僕は雷の羽を生成。空へと飛んだ。


「そう来たか! それなら空に逃げるのが吉じゃな。儂が飛べん限りじゃがな!」


「やっぱり飛んでくるよね!」


弾が飛んできて、僕は苦無を投げる。それを双方が回避し続ける戦いが始まった。

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