第9話 テントに移動
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「噂になってるんだべ。おらたちを始末しに来るって」
それにしても綺麗っぽい女の子だね。泥まみれだから今は何ともだけど、きっと元々は美しい系の子なんだと思うな。
「どうやら、私たちの邪魔をしたい者がいるみたいですね」
「早く放してくんろー。おらこんなに仲間がいるなんて聞いてねえだ」
「あ、そうなんだ。人がこんなにいるって知らないっていう事は、スパイではないよね。なんてったって情報が古いからね」
あれ、それなら、珠樹たちは、
「え、元から、ここら辺に私を連れてくる予定だったのかな」
「そうだよ。正しくは、悪魔将軍を連れてくる予定だね。その人物を連れて、悪魔たちを統率してもらうのと、代美を探すのを手伝ってもらおうという作戦だよ」
「じゃあ、拷問の時間ですよ」
「ひ、ひぃいいいいいい、やめろー! やめてけれー」
乃理が何か準備している? 何だろう? ビーフシチューかな?
「これが食べたかったら、仲間の位置を吐くのです。どうですか?」
「ううう、そんなの食べたくなんて……」
「では、千代。食べますか?」
「せ、拙者でござるか。まあ頂こうか」
「はい、あーん」
「あ、あーん」
なんか、乃理が、千代に食べさせている。少しドキドキしちゃった。
「はぁはぁ、ここは天国かぁ? い、いや、そんな事より、早くおらを放せー」
出来るだけ、髪を振らないようにしているから、泥が飛んでこずに済んでいるみたい。てかなんで天国?
「話す気になりましたか? このままだとあなたの取り分が減りますよ」
「そんなものどうでもいいさっきの続きを早く! いやそういう事じゃねえ! 早く解放してけれ!」
「意固地ですね。では次は、スプーンを変えて、アミ様。どうぞ。あーん」
「あーん。うん美味しいよ!」
「ああ、かわいいは正義だべ……」
あ、なんか解ったかも。じゃあ、
「この続きは、情報吐かないと見れないよ。情報吐いたら、パジャマパーティーに参加する権利をあげるよ」
「間に挟まるのはご法度だべ、パジャマパーティーには入れねえ」
なにその面倒くさいの。女の子同士なのに、まあいいや、
「じゃあ続きは無しだよ。パジャマパーティーもお邪魔じゃなければ来てよかったのに、あ~あ勿体ない」
「あっちの草原の奥にある、山岳部に集落はあるんだっぺ。って思わず言ってしもうただ!」
ちょろい。
「じゃあ、明日そこに行って、皆で説得するよ。村に帰ってもらうんだ」
「「「はい」」」
「……よし! おらが案内するだ。もし悪いことしようもんなら、おらがあおめえらを倒してやるさ」
「わかりました。ではとりあえずお風呂でございますね。あなた……えーっと」
「おらか? おらは奥羽 瑠亜だ。宜しくだっぺ」
「宜しくお願いします。で、奥羽さまもお風呂に入りませんとドロドロですし」
「パ、パジャマパーティの前に、洗いあいだっぺ! もうそれで、ご飯三杯いけるっぺ」
あ、もう隠さなくなったね。
「いや、一人で入れるでしょ」
「そんなー」
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