第6話 夜ご飯

夜ご飯




「よし! これで、5連勝だよ。って、あれ? 夜ご飯は? って暗くないのに夜ご飯っていうのなんか面白いね。まあ、この世界に夜がないのがおかしいんだけど」


そうだ、お腹の虫が、さっきから鳴りまくりだよ。すこし、台所に行ってみよ。


「乃理ー、まだかな?」


「ええ、先ほど二人とも帰ってこられて、今料理を手伝ってもらっている所です」


「あ、ただいま、アミちゃん。少し偵察しててね。まさか、草原に大型魔物がいっぱいになっているなんて思ってなかったんだけど、だからかなり大量だよ。あ、アミちゃん料理手伝おうね」


「そうでござる。拙者も付いて行ったでござるが、あの量と、あれを遠くの方で狩っていた者たちには驚かされるでござる。アミ殿も手伝っていただけないでござろうか?」


「あ、手伝わなくちゃ駄目かぁ。わかったよ、お皿を出すよ」


なんか、ゲームしていた私が悪いみたいだね。なんでだろ? そう考えつつも、料理の盛られたお皿を、食卓に持って行って、置いたり、空のお皿を出したり、珠樹たちの文化に合わせてお箸、私の文化のスプーンフォークを出したりした後、私は席について、


「よし! 端末でゲーム……って通信出来ない! なら、通信しないでできるゲームをやるしかない!」


「はい、アミちゃん。夜ご飯だよ。端末はしまっちゃおうね」


「そんなー」


端末取られちゃった。


「じゃあ、頂きます」


「「「頂きます」」」


珠樹の号令で皆ご飯を食べ始める。


「偵察した時の話なんだけど、私は遠くに人影なんて見えなかったんだけど、本当に見えたの? 千代」


「拙者は五感が鋭いのでござる。なので見えたのでござるが、あれは、悪魔憑きのようでござった。たしかに、珠樹殿には見えない位置でござるよ」


「へー。じゃあ、遠視を使えばよかったよ。でも見えていたなら、それでいいかな? どんなふうに討伐していたんだい?」


「複数人で、ロープのような物を使って、動きを止めてた上で、大剣で斬りつけていたでござる。しかし敵の魔物もさることながら、ロープを引きちぎって暴れていたでござるが、最後に、山の方から、矢が飛んできて、皆逃げたでござる。ちなみにその矢によって、その魔物は腹に穴が開いてたでござる」


「やばいね」


「恐ろしいですね」


「うーん、その矢明日探してみよう」


「何か気になるのかな?」


「うん、その矢を調べてみたいんだ。もしかすると、探している人かもしれないからね」


「えーっとたしか、代美って人ですよね」


「うん、この世界の地面と空を創造したんだよ。なのに、何故か連絡がつかなくなって……」


あ、珠樹がすごく悲しい顔をしている。な、なんか励まさないと!


「なんというか、ごめん。でも死んだわけじゃないから、きっと見つかるよ。……多分」


「多分って何ー! でもありがとう! そういえば、外の世界の流行とか教えてほしいな。ゲームの!」


そんなこんなで、夜も更けていく。私は腹八分目まで食べて、お風呂に入った後、ゲームしていると、


「あ、あれ眠い。あ、睡魔におそわ……」

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