第4話 悪魔の村
悪魔の村
「ここが、あの人たちの村だね」
まあ、村と言うより、獣の巣の集まりに少し毛が生えた程度みたいな感じだけど。
「まあ、暴走してたからね。しょうがないね。で、一つ分かったのは、ここの所為で、魔物たちがいなかったんだよ」
「どういう事でしょうか?」
「えっと、この場所、いや悪魔憑きたちがこの辺りに居る魔物たちを狩って食べていたことによって、この森は危ないって認識が生まれたんだと思う。ほら、この地図だと、この先少し木の生えた草原でしょ。そこの方が大型魔物にしては、安全なんだよ。で小さい魔物は細々とこの森に、気配を探りながら生き残っているって所かな」
珠樹の言う事は全部当たってそうだね。
「成程、それで小型魔物の気配は有ったのでござるね」
そんなことも分かるんだ。すごいなー、千代は。
「という事はここは安全なのですね」
「うん、多分ね。保証はできないけど」
「じゃあここで寝るしかないかな」
野宿怖いけど。でも仕方ないよね。
「じゃあ、テント出しますよ」
あ、あるんだテント。なら少し安心かな。でもテントだし……。
「これを地面に刺して」
「はい」
それを突き刺すと、少し小さめの家が出来上がった。何で?
「これでいいね。じゃあ中にあるお風呂の順番なんだけど、私最後でいいかな?」
「あ、私も最後がいいです」
「え、お風呂あるの! じゃあ、私は最初でいいかな?」
私は考えて、そう声を上げる。
「いいでござるが、何故でござるか?」
「私、最近夜になると、早く寝ちゃうんだ。だから、早く寝るために早くお風呂入りたいんだ」
最近なんかいつもより、眠気が、早く、くるのだ!
「うん、いいよ。じゃあ、アミと私の間に二人は入ってね」
そう言いつつドアを開けると、その中は、普通に家だった。
「何……いや、ナニコレ!」
「ん? 部屋を分離して持ってきた、テントだよ」
「凄い技術力でござるな」
「流石ですね」
「まって、そんな言葉で片づけていいの? このテント! かなりの技術だよこれ! うちの世界でも、空間膨張がやっとなのに、部屋を持ってきたって事?」
「まあ、紀光様のなさることですから」
「そうでござる。あの御仁ならやりかねないでござる」
「けど、お風呂とかの部屋が分かれている場所は、容量の問題で持ってこれなかったらしいから、風呂場と洗面所、後元から無かった台所は兼用だよ」
「ほへー」
「それはそうと、珠樹様。私はお風呂場の後片付けを任されたいのです。なので私めが一番最後に」
「あー……。えっと鳥の羽や、鱗、毒の浮いている湯船につかりたいなら、それでもいいんだけどね。どうする?」
「最後から2番目に入らせていただきます!」
あ、乃理が大人しく聞いている! まあ、毒とか浮いていたら嫌だよね。
「では拙者は、アミの後に入るでござる」
「よし! 順番は決まったね。じゃあ、夜ご飯でも食べよっか」
「うん」
「ええ」
「承知」
私は席に着いたけど、ここで気がついた。
「……もしかして、食材がいるのでは?」
「「あ」」
あれ、乃理と、千代が慌てだした、もしかしてこれって。
「あ、うん。当たりだよ。これから、木の実とか、小さい魔物を倒しに行くよ」
「ええー!」
「そ、それに、アミ様、座って料理を待つ体制でしたね」
「ご、ご飯は料理せねば出てこないでござるよ」
「えー、私料理できないもん、てか二人はこっち側でしょ」
「まあ、とりあえず、狩りに行くよ!」
「うん」
という事で、テントから出て、小さめの魔物と木の実を探しに行くことになった。
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