第3話 戦いの理由

戦いの理由




「よし! これで全員だね」


ふう、良い事出来た。すごく満足だよ。


「あの」


ん? さっきまで戦っていた、悪魔憑きの一人が恐る恐る声を上げた。どうしたんだろう?


「何?」


「何故俺、いや自分たちを助けて下さったのですか。我らが将軍様」


「へ? なんで、私が悪魔の将軍ってバレているの? ってそうか、こっちに来た時にもバレていたから、悪魔憑き特有の感覚で分かるのかな?」


「その通りです。で、なぜ自分たちを助けて下さったのですか?」


「ん? 敬語じゃなくていいよ。で、助けた理由ねぇ……。仲間だから?」


「仲間……? いや、今俺たちは貴女たちを襲っていたんだぞ」


「それでも、私たち、悪魔憑き仲間じゃない。でもなんで襲ってきたのかな?」


「それは……。申し訳ない! 俺たちは消されるもんだと思っていたんだ!」


「どういう事?」


「だってそうだろ! 暴走していたんだぞ! そんな奴らを置いておく必要なんてない、そう考えるのが必然だろ! だから……」


成程、暴走する奴なんていらない。そう考えてもおかしくないって思われていたんだね。まあ少し信用無いことにイラっとくるけど、しょうがないかな。


「いいよ、許すよ。暴走は仕方なかった話だろうし、それに、私は、そんな冷酷な人間ではないしね」


「あ、ありがとう!」


皆泣いたり、肩を抱いたりして、喜んでいる。それだけ、怯えていたんだね。ん?


「そう言えば、暴走しているときの記憶もあるんだね。辛いよね」


そう、さっきの話し方だと、暴走中の記憶もある筈なんだ。だって、自身が暴走していたことを知っているんだから。


「そうなんだ、皆を傷つけて、ここに集まったことも覚えている。すまなかった。そして救ってくれてありがとう!」


みんな揃って、立てないからか、座りながら頭を下げている。


「ちょ、ちょっと、そんな頭を下げないでよ」


「あんたたちは命の恩人だ。頭ぐらい下げさせてくれ」


すごく照れる。私、顔真っ赤になってない? 恥ずかしい、でも嬉しいな。


「ねえ、君たち、悪いんだけど、巫女服で弓矢持った子通らなかった?」


「えーっと、おい誰か見た奴いるか?」


皆顔を横に振っているね。目撃情報は無いみたい。


「ありがとう。じゃあ、私たちは先に進もう。っとその前に、これ貼っておくから1分経ったら触って。そしたら、村に飛べるから」


「ああ、ありがとう。っとそうだ、俺たち以外にもっと遠くに言った悪魔憑きたちがいた。あいつらも救ってくれ。後俺たちの村が近くにある。マップアプリに送っておくから、そこで休憩していってくれ」


「うん、ありがとう」

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