第3話 里帰り
里帰り
そこは、空き地だった。私の家の裏の空き地だ。と言うか、ここ、最良世界? 私の家の裏の空き地だもんね? 多分あっていると思うけど、
「うう、頭が、君何をしたんだ!」
「僕は君たちを連れて、世界を渡っただけだよ。まあ転移酔いだね」
少年が、気持ち悪そうに膝をついて、皐文に毒づいているね。私は立ち上がり、自分の家を見る。そこにはkeep outとと黄色いテープが出入り口に貼られているのが確認できるよ。てことはやっぱり、
「ここは、最良世界。そしてアミ、あの槍に触れるとこうなるんだ」
と苦無を見せられた。あれ、この苦無、真っ二つに割れている? いや、切られている?
「あの武器は蜻蛉切。あれの穂に触れると、こうなるんだ。気を付けて戦うよ!」
「うん」
私は拳を構え、皐文は苦無を両手に構える。少年の方も、よろよろと立ち上がり、槍を構える。まだ、転移酔いが抜けないようだけど、そんな事お構いなしだよ!
「やぁあああああ!」
愚直に殴り掛かる。戦い方なんて力で圧倒する方法しか知らない。今まで戦った経験なんて、少ないのだから。
「ちょっ馬鹿!」
槍がこっちに向かって突き刺される。あ、終わった。夢の中だろうけど、これで、外の世界に出る方法が無くなった。そう思った瞬間、目の前で血しぶきが上がった。そこで私の記憶は途絶えた。
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