第27話 マシンガンって機関銃かよ!
俺とミラージュは控えの間となっているアレリカイア城の敷地内の建物の中で待っている。
王の間に押し掛けてもいいのだが、何か様子がおかしい。
何もなければそのままウィーダリーに会わせて貰えるだろうに。
「えらく殺風景だな。」
俺はその大広間の様な部屋の壁側にいくつか置かれていた椅子のひとつに座る。
ミラージュもその隣の椅子に座った。
【スキル 神眼 探求】により、このアレリカイアの王城を調べる。
俯瞰地図のように、城内の状況が上から見下ろすような格好で目の前に現れ、人の動き等が一望できる。
先程の兵士から連絡を受けた者と思われる伝令が、早い動きで城内を移動しているのもわかる。
他の人間は?
あっ、いたいた。
ん?皆、同じ所に集まっているな。
ここは?
王の間か、ほう、流石に、喋っている言葉はわからないが、何か、お取り込み中という感じだな。
王の間にはアレリカイア国王シングレアス・フォルト・アレリカイアが部屋の奥の王座に座っている。
また、その両脇には第一王子ゼイアースが座っていた。
王国騎士団長のドリエル・コネクリオや、大魔導師ウィーダリーもいる。
宰相のローデスト・グレイアスの手元にある書面を【探求】する。
『魔族の目撃状況・各地の報告一覧』
報告一覧だと?
一ヵ所だけではないのは、それとなくわかっていたが、なるほど、ここにも報告は上がっていたのか。
俺はさらに文書を読み進める。
『目撃地1…ワンレイヤ 魔族と思われる者から魔法により町の防護壁の壁を破られる。
その者の姿は人間と変わらないが、魔法の威力から魔族の者と判断される。』
『目撃地2…トゥレイヤ 巨大な魔物を使役して空を移動している魔族を目撃。魔物は人を襲い、魔族も対応した町の兵士や住民を多数殺害、その後、何れかに立ち去ったとの情報。その他、この地については目撃例多数。』
『目撃地3…フォーレイヤ 魔族の男が町の女性に魅了の魔法を掛け、何かを企んでいる模様。魔法を行使する姿が目撃されているが、今のところ実害はなし。』
やはりフォーレイヤの町だけではなかったということだ。
俺がウィーダリーに話をしようと思っていた事は、この事だった。
俺がスキル展開で確認していたのはフォーレイヤだけでなく、その他の境界線についても【探求】の目を延ばしていた。
その時の探求結果に不審な人影が何人か見つけていたからだ。
だが、近距離であればその者の名前の他、性別、年齢、種族など詳細な情報がわかるのだが、遠距離になればなるほど、その精度は低下していくのが、このスキルの困ったところだった。
【スキル 神の目】で確認取得した図書館の情報は【全知全能】のスキルの発動を促したが、その文字情報なども遠距離にある書物等は、はっきりと確認できなかったのか、よく確認すると文字化けしているものもいくつかあった。
なので、今回もエルネイアにいたときは人間かどうか程度は判別していたが、遠距離のためなのか、現在のスキルレベルが低かったのか、はっきりとは判断出来なかったのだ。
ここで、俺のスキルのひとつである、【神眼】について整理しておくが、最初は、
【自動地図作成機能】…
・歩いた場所及びその周辺地図を自動的に作成する自動マッピング機能。
・建物の内部構造が確認出来る。
・罠や隠し部屋などの確認は不可。
から始まったスキルだ。
それが、その後、派生進化した、
【スキル 宇宙衛星】…
・上空から世界を俯瞰する様に何でも見ることが出来。対象範囲は全世界で、人や物を探したりすることが主な能力で、建物内でも透過して見ることが出来る。
・世界の地図を作成する。
・補助スキルは【探す】
・構造物や山や海、川等の情報が得られるが、そこに棲む生物等の情報や、人や物は名前程度しか得られない。
・立ち入った、建物の造りをある程度透過して罠、隠し部屋などを確認することが可能。
を取得、【スキル 適当】と【魔法全鑑】を修得したことにより、
【スキル
・どこに隠れていても必ず目的のものを探し当てるという能力で、【宇宙衛星】よりも発見確率や、対象の魔法やスキルによる隠蔽効果を無効化、もしくは無視して対象物を探し出す。当然、発見能力や索敵能力等も【宇宙衛星】よりも飛躍的に向上する。
・【宇宙衛星】スキルの進化形態。
・補助スキルは【探索】
・地図だけでなく、世界の構造物や人間の位置情報なども正確に得られる。
・地図情報から人間や魔物などの判別情報も取得可能。
・付属スキル『範囲指定』『対象指定』により、魔法を遠隔地で展開する事が可能である。
・個別に『対象指定』して【探索】すれば、個人の情報等を得ることが可能。
・全世界の図書館や世界各地の書物の情報を得ることにより【スキル 全知全能】を得る。
※ただし、遠距離にあるものについての情報取得には問題がある。
に進化した。
そして、俺の異世界知識の渇望によって
【スキル
・【スキル 神の目】の形態が派生進化したもので補助スキルは【探索】から【探求】へ派生進化した。(あくまでも派生であり、正式な進化とは言えず、【異世界の知識】以外基本的な能力はあまり変わっていない。)
・補助スキル【異世界の知識】を修得、異世界の情報をインターネットの如く得ることが出来る。なお、使用には厳格な制限を設ける必要がある。
・個人の情報の量が増える。【スキル 適当】との連携で、その時に欲しい情報が貰える。
と現在の状態に至っている。
おわかりのとおり、【神の目】とは言え、遠距離にあるものなどの情報取得はレベルがまだまだ低く、俺が望むレベルの取得能力には未だ至っていない。
スキルが進化すればその問題も解決するのだろうが…
まだまだ、『神』の力には遠く及ばないことが、今更ながらに理解できる。
「あーあー、こりゃ大変だな。」
と俺が呟くと、ミラージュが、
「どうちたんでつか?ご主人たま?」
と尋ねてきた。
「魔族がこの国を攻め始めている。」
「まぞく、れしゅか?」
「ああ、もうちょいなんだがなあ。」
「何がれしゅか?」
「うーん、多分だけど、俺のスキル進化。」
「そうなんれすか。」
それを隣で聞いていたオウルソングが、
「魔族が攻めてくるというのはやはり本当のことなんでしょうか?」
と聞いてくる。
「まあ、この国にちょっかいを掛けてきている奴がいるのは間違いないみたいだな。」
「くっ、そうですか。」
「まあ、俺も、その件で少し話があってな。」
「なるほど、それでウィーダリー様に…?」
「そう言うことだ。」
その時、【神の導き手】さんから連絡が入る。
『ヒロシ様、お待たせしました。スキル進化の用意が出来ました。フルモデルチェンジとまではいきませんでしたが、現状に対応するため、このマイナーチェンジしたスキルでお願いします。』
と言ってきた。
マイナーチェンジって、車じゃないんだから。
で、新たなスキルってのは?
『【スキル 神眼】が【スキル マシンガン】に進化しました。』
はい?マシンガンって?
『【魔神眼】です。これまでのスキルから得られた情報を、ヒロシ様の無限の魔力を使用することによって、その能力を飛躍的に向上させます。例えば、遠隔地の情報が正確に得られる様になり、魔族の者と人間との違い、つまり、【魔力数値】を識別し、地図には数字や色などで表記します。』
と言うことは、これまでわからなかった魔族と人間の違いがわかり、地図上で魔族を探すことが可能であると?
『全くもって、その通りです。他にも補助スキルが増えておりますので、ご確認を。』
そう言うと【神の導き手】さんは沈黙した。
「そうとなれば、早速、魔族を探してみるか。」
俺はそう言うと、【スキル 魔神眼】で、魔族を探すため、『範囲指定』等をしようとしたが、あれ?『範囲指定』とか『対象指定』出来ないぞ?
と思った瞬間、自動的に俺のいる場所から円形状に検索範囲が拡がっていく。
「こ、これは、まさか!?」
この時、【神の導き手】さんではなく、久しぶりの【チュートリアル】さんが解説してきた。
『【気配察知Ⅲ 魔力感知(弱)】の魔力感知が隔階レベルアップし、【気配察知Ⅳ 察知範囲Ⅴ】から最上位の【気配察知Ⅴ 種族識別感知 魔力感知(強)】となり、派生進化【全能感知】となり、その後【スキル 魔神眼】へ統合されました。それにより、地図上のあらゆる生物に対する魔力感知が可能となりました。』
「な、なるほど、と言うことは、俺がちょっと魔族はどこにいるかなと思った瞬間に【スキル 適当】さんと連動して、その居場所が瞬時にわかるという事か。」
『解説ありがとうございます。その通りです。因みに戦闘時は、攻撃してくるものを【全能感知】が【自動絶対防御】と連携して、攻撃してくる対象を全て自動感知し、【適当】スキルでフルオート反撃します。』
「ち、ちょっと、まて、それじゃあ俺の力を試すためとかで襲ってきた奴なんかはどうするんだ?殺してしまったら意味がなくなるだろう?」
『【スキル 魔神眼 探求version2】で攻撃対象者本人の情報を同時取得し、『殺気』状態以外であれば、活動不能程度に抑えた反撃力となります。』
「はー、凄すぎて言葉にならねえ。と言うことは、俺の知らないところで、俺に殺気を放った時点で、勝手にオート反撃して殺してるってことかな?」
『そうなります。』
「こえー!」
「ご主人たま?だれとおはなちちてるんでつか?」
「あ?、口に出てたか。ちょっと神様と話をしてた。」
「神たまと?」
「そうだ、おい、オウルソング。」
俺は、側に立って周囲を警戒しているオウルソングに声を掛けた。
「事態は急を要する、俺をアレリカイア王の前に連れていけ。」
「えっ?!、ウィーダリー様ではないのですか?」
「ウィーダリーは王の間にいるから丁度都合がいいだろう。」
「えっ、どうしてそれを?」
「まあまあ、いいから、いいから。」
不思議そうに尋ねるオウルソングを誤魔化しながら俺は、オウルソングの背中を押して建物の外に出る。
そして、隣のアレリカイア城内に入っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます