黒銀ノ死神~職業無しなのでパーティーを追放されたが、特異職業“処刑者”だった事が判明。処刑鎌を極めたら最強になりました。今更戻って来いと言われてももう遅い。拾ってくれた美女とパーティーを組んだので!~
第261話 原初魔法・赫刃突破《ゼロ・オリジン・オーバードライブ》
第261話 原初魔法・赫刃突破《ゼロ・オリジン・オーバードライブ》
灼炎の斬撃が光を失った戦場を塗り潰した。
それに対抗するかの様に、深淵の剛撃が劫火の中で躍動した。他と隔絶した超然染みた威力は相も変わらず、闇の魔力を纏った超重量級の武器が舞い踊る様も同様。改めて驚異的と言わざるを得ない。
そんな俺の感情を置き去りにするかのように闇の渦が瞬き、灼熱の波が戦場を駆け巡った。凄まじい速度で異次元ともいえる剣戟と魔法が交錯する。
「くっ!? 何という打ち合いなのだ!?」
「これは……凄まじいのぉ……」
セラスと騎士団長も戦場を巡る破壊の嵐を前にして、表情を険しくしながらも驚愕を隠し切れないでいた。
「あれ、は……?」
それはルインさんも同様。
俺達としても、この死闘の連続と称せる戦いの中だけでも大幅に腕を上げた。特に顕著に表れているのは、セラスだろう。最初は疑似発動形態以上、完成形未満だった他の面々より練度の劣る“
他の面々の“
しかし、眼前で繰り広げられているのは、明らかに限界という概念を超えた戦い。故に驚きを隠し切れず、同時にこの戦いに横槍を入れる事が出来ないでいた。
「戦場で我の前に立ち、たった一人でこれほど堪えた人間などそうはいない。認めよう、貴様は本物だ!」
「貴方の称賛など、今はどうでもいい! 今は自らの責務を果たすだけだ!」
頂上決戦――眼前の戦いは、確かにそんな言葉が相応しい。
だが、限界を超えた攻防にも少しずつ陰りが見え始めた。確かに単身マルコシアスと打ち合うジェノさんは、凄いなどという言葉では片づけきれない偉業を果たしている。当のマルコシアス本人を含めて、それを否定する者はいないだろう。だからこそというべきか、その代償は決して小さくない。全てはその回答に帰結する。
そもそもからして、通常の“
であれば、限界を超えたその先へと至った“
要は安定性をそのままに出力を引き上げたわけではなく、術者への負担を完全に度外視して出力に極振りした形態。主眼に置かれたのは短期決戦――というよりも、他に選択肢はない。
「はぁ、はぁっ! ちっ!?」
「でりゃぁぁっ!!」
更に限界を超えた先で
どちらにも驚嘆を抱かざるを得ない。しかし、押し切れずに闘いが長引けば、消耗の蓄積で後者がどんどん不利になっていく。驚嘆で手を
だが逆を取れば、戦況を一変させる
「ふっ、総力戦というわけか!? 面白い……久方ぶりに本当の戦場を我に味合わせてみろ!!」
対するマルコシアスは嬉々として、再び参戦した俺達に向けて砲撃魔法を放って来る。本当にインチキ染みた立ち回りだが、今はそうも言っていられない。各々が必殺の魔法を差し向ける。
「皆、何を!?」
「割り込み失礼、援護します! 今は全ての力を一つにする以外に勝ち目はありませんから!」
“デスオーバーロードマキシマム”――戦場に割り込んだ俺は、最大解放状態の斬撃をマルコシアスへと差し向ける。半端な牽制は無意味。かえって魔力の無駄だ。元より出し惜しんでいる気はないが、ここから先は常に最大出力で立ち向かうしかない。寧ろ気を抜けば、一瞬で消し飛ばされる事は間違いないのだから。
常に全力なんてのは相応以上に無茶な行為だが、俺達などとは比較にならない負荷をかけながら戦っている人がいる。この状況において、リスクの大きさなど最早些末な問題だった。
「はっ! いいぞ、もっと足搔くがいい! 我の退屈を紛らわすのが精々だろうがなァ!!」
「これ以上、お前のエゴを押し通させるわけにはいかないッ!」
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