第50話

この今岡に付いて伊藤冴子から聞いた事で、一つ不足があった。この女は、学校をクビになってからはその後何度も、又雇ってくれと頼みに行ったらしい。そしてその度に、断られていたそうだ。            私が母と一緒にデパートで遭遇した時には、それをしていた頃かもしれない?そして、 断られていた時期だったかもしれない?  だが、結果何度も頼みに行き、最後には余りのしつこさに、ついには又入れてくれたそうだ。そうして、又何年間かしてからはあの学校で教師として働いていたのだ?!    もし私なら、入れない。私が校長なら、幾ら来たとしても絶対に入れないで拒む。   そんな女が改心をして、まともな教師になる等、考えられないからだ。        もし仮になったとして、又いつ何かの理由で、元に戻るのではないかと思うからだ。 そうしたら又、誰か生徒(達)が災難に会う!被害者になるのだから…。      ちなみに私は、母からきつく注意をされた。あのデパートの一件の直ぐ後だ。     もう二度と、いや何年もこれから先は、あのデパートへは、特にあの階には行かない様にと。近付いては行けないと。       勿論自分とも行かない。自分はもう行く気は無いからと。あんな恐いデパートになど近付かないし、無理に行かなくとも他のデパートが沢山あるのだからと言われた。     横浜駅には他にも幾つか、もっと大きなデパートがあった。だからもし用事があればそこに買い物に行けば良いのだからと。    確かにそうだ。最もな話だ。       だが、私は一度だけ行ってしまった。どうしても気になったのだ。あんな事があり、まだ今岡はあそこにいるのか、普通に働いているのかがだ。               その時のエピソードに付いては、次回に話したい!

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