第42話

本当に最低な教師だ。教師と言う自覚が無いのだろう。甘堂に限らす、今岡と樽辺も。 だがその後、2年生の時には特別に今迄以上の何かは無かった様に記憶している。   甘堂がクラスの中で下らない嫌味を言ったり、吉川達が私を睨みつけたりコソコソとこっちを見て何かを話したりしていた以外にはだ。                  高校生とは、多くが、中身はまだ子供なのだろう。大人に近い体型になっていてもまだまだ子供なのだ。             私に言わせればシンちゃんもこのクラスの 3匹も、像足コンビも、まだ小学生並だ。  やっている事が小学校の5年生前後位にしか思えない。数年もしたら大学生や社会人になる人間がやる事には到底思えない。非常に幼稚だ。                 だから高校3年生になると又クラスの担任が代わって古田になり、私は安堵した。甘堂からはやっと解放された!         だが甘堂はまだ私に執着していて、前に書いたと思うが、一度廊下でかち合ったので、急いで会釈して行こうとすると、声をかけてきた。何か嫌味を言いたくて行かせない様に足止めをした。それでも行こうとすると、教師が呼び止めているのに行くのか?!、と迫って。                  その時に私の背後から古田が来て、私に、 良いから行けと言った。甘堂が怒って大声で文句を言った。すると古田は言い返した。自分の生徒なのだから、関係ない教師は黙っていてくれと。              これは以前に職員室で甘堂が私をどっちめていた時に、余りに酷いから古田が味方をしてくれたら、甘堂が物凄い勢いで怒鳴り返したのだ。自分が担任なのだから、部外者は黙っていてくれと。             だから古田は、同じ事をしたのだ!!そして甘堂はとても悔しそうにしながら黙った。 そうして3年生になり、もうホームルームの時に担任から嫌味を言われなくなった。又、担任と一緒になり私の悪口を吉川、山田、結城は言えなくなった。          だが、私は一、二度見た。甘堂とこの3匹がコソコソと廊下で話しているのを。    私に対して何か痛手を被る様にと、相談をしていたのだ。そして古田の悪口と、古田が邪魔だから、古田に対して何か対処法はないか等だ。                 だが甘堂はもう担任ではないし何もできない。                  母が、居残りをさせて何時間も訳の分からない説教をするなと頼んでからは、呼びつけなくなったし、他の鬼畜2匹もそうだ。   だから私はさほど気にしていなかった。 只、3匹の中では一番見かけだけは威勢が良い吉川が中心となり、放課後に帰る支度をしていると私の近くに立ち、聞こえる様に嫌がらせを言ったりした。          それは色々とあったが、私は相手にせずに無視していた。              だがこの無視というのも、必ず相手に効力があるかと言うと、違う。無視をしていても聞こえている訳だ。すると、相手はこう思う。意地悪や嫌がらせを聞いていて本当に平静でいられるか?!と。           だから余計に言う。ましてや言い返さない訳だから、言い安い。絶対に反論しない訳だから。だから、もっと喜んで、良い気になって言うのだ。               だから確かこの日は、シンちゃんから聞いた内容で嫌がらせを言い始めた。私が手塚治虫が大好きだと言った事に対して、馬鹿にした。手塚治虫先生、私はそう呼んでいるが、の事も馬鹿にして悪口を言い始めた。   勿論いつまでもは言えないが。私は帰るのだから。                 古田は、又担任になってからはこうした事に気付いても黙っていた。         私も面倒臭いし、うっかり相手にしたら3人もいるしで、わあわぁと切り返されて早く帰れなくなりたくなかった。        私はこの忌まわしい学校からは一分一秒でも早く帰りたかったから。中退なんてしたくなかったが、色々あるしで、別に好きではなかったからだ。              そして古田はこの日、私が黙ってカバンに教科書を詰めて帰宅の用意をしている側で嫌がらせを言っているこの三匹を、机にいる自分の所に呼び寄せた。           「吉川、山田、結城!!」        三匹は驚きながら、嫌そうな顔をした。  「一寸こっちへ来い!」           三匹が渋々歩いて行った。        私は、古田が何を言うのかとそっちを見た。

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