第34話

古田達は横浜駅の中だとか廻りの飲食店に集まり、私の事で相談をしてくれた。横浜駅を選んだのも、あそこら辺なら広いし、人も多い。又、飲食店も物凄く沢山ある。    だから簡単には見つからないし、又見つかっても幾らでも言い訳はできる。映画館や百貨店や、色々とある。又、もし離れて付いて来られても、上手く巻けるから。      彼等は、鬼畜3匹から私を守る為に、あいつらが私を呼びつけようとしていたり、又はしている時には妨害して、私を逃がす事を打ち合わせしていたのだ。そうして幾度か、結果報告だとかの会合も開いていた。    又、甘堂の手下の吉川達と、樽辺のクラスの警察かぶれかスパイもどきのボランティアの二人に対しても同じにすると。そしてこの、生徒たちへの方が簡単だ。        古田は、樽辺が私を襲おうとして、甘堂と今岡がそれを手伝い、教室のドアの鍵をかけた事を話したから、他の三人も非常に驚いた。古田は矢野先生からも話を聞いていて、彼もとても私を案じていると伝えた。     それで、私が卒業するまでは絶対にそうした事が無い様にうんと気を付けて、私を守ろうと話し合った。             だから、駄目な時もあったが、私は何度も彼等に助けられている。後から分かって、凄く感謝している。             私は、青木と堀江が空の教室に二人きりで、小声でこうした事柄を話しているのを数回聞いたのだ。だから分かった!       彼女達は、職員室では決してできなかったから。鬼畜達に聞こえたらまずいし、又誰かに聞こえて密告されたら大変だから。仕事で嫌がらせをされるか、下手したら何かを理由に、矢野先生の二の舞になったら大変だからだ。                  何せ甘堂を始めとして、奴等は異常だったから。ストレス解消ややっかみや、差別が、何も抵抗できない相手へと爆発した。    だから、本当に色々とあった。      母が甘堂の家に、やっと電話しようとしたきっかけになった事柄が幾つかある。年中放課後に残されて長く嫌がらせや文句を言われていたのもあるが、あの弁当事件や、職員室ヘ呼ばれて、トイレへ絶対に行かせないで、したければそこにしろと言った事もある。樽辺に私を強姦させようとして教室に閉じ込めて外からドアの鍵を、今岡と共にかけた事もだ。これに付いては、馬鹿な母は最初は信じられなくて、勘違いじゃないのかと何度も言った。本当におめでたい親だ!!     だがこれらの他に、こうした事柄があってからだ。                 ★1つには、私が帰ろうとしたら、廻りに誰かいないのを吉川達に確認させて、又、誰か来たら直ぐに教える様にと言い(そうしたら直ぐに止めるから)、私を教室前の廊下で、四人で取り囲んだ事がある。       三人の手下は私を見張りながら、人の気配に注意をしながら甘堂を先頭に、こうした虐めをした。                中身は、まず甘堂が吉川に、私へ何をさせたいかとしつこく聞いた。吉川は答えた。三回廻ってワンと言わせたいと。甘堂、山田、結城が嬉しそうに笑う。          拒否すると、甘堂が一人に命令した。樽辺を呼びに行けと。手下が皆、喜ぶ。     これは甘堂の切り札だ。自分は小学生みたいな小さな身体だ。三人の手下も、結城は甘堂と同じで、小さな貧弱な身体をしている。 山田も吉川も極普通の身体で、身長は160センチも無い。吉川など、身体が壁にぶつかっただけで幼児の様に泣き叫ぶ、只の張子の虎だ。                  だから私が本気になれば、甘堂を押し飛ばして逃げられるし、小さな結城へもそうだ。 山田も気が小さくて臆病だから、腕でも振り上げたらすくんだり尻込みして、その間に逃げられる。吉川も私が本気になれば、私の方が力がある筈だ。私の方が背が高いし、白人の血が流れている。           よく聞く話だが、同じ体型でも普通、欧米人の方が力があると。アジア人の方が骨が細いから筋力が無いと。そしていずれにしても、私は割と力はあった。          だから、男の樽辺を呼ばない限りは敵わないからだ。                甘堂はしつこく私に、吉川が言った通りにしろと言って、しないと樽辺を呼びに行かせて、そうしたら樽辺が、例の職員室の物置だか倉庫だかの部屋へ私を閉じ込めるからと脅かした。そして、もし今それをすれば、もういい加減に許してやるし、もう呼びつけないからとキッパリと請け負った。      手下共はこれを聞くとざわつき始めた。嫌だからだ!学校にいる間中、永久に虐めたいのだ。こんな最高な遊びを止められないから。何せそれは絶対に叱られないし、むしろ担任に喜ばれて、頼りにもされているのだから!!                 そして樽辺はその日に、勿論本当にやっただろう。私を閉じ込めて帰り、後から犯しに戻って来たかもしれない?!        私はその時、色々と瞬時に考えた。そして、服従するのが一番安全だと思った。だから、仕方ないからやった。          吉川は嬉しそうに笑い、他の皆も、い〜ち、に〜い、さ〜ん、等と言って笑っていた。本当に凄く満足しながら、やり方がちゃんとしていないだとか言って数回させられた。  それからやっともう良いと嬉しそうに言って、甘堂が離れて行った。        吉川が、「ザマァ見ろ!!」と叫んだ。   私が立ち上がり、去って行くこのサドマゾ好きな、気狂いの変態共の後姿を見ていると、吉川が急いで聞いていた。        「甘堂先生、もう本当に高木を虐めないんですか〜?!」              甘堂が大声で、私に聞かせる様に返事をした。                  「馬鹿ねー!あんなの、嘘に決まってるじゃない?あんな事、誰が本気で言うのよ?!」「アッ、そうですよね〜!!」      「そうよー。駄目よ、そんな事を信じちゃあ。」                  そうして四人は大声で笑いながら去って行った。                  以後、私はこれが教訓になった。     確かにあの時、信じた訳では無い。だが、少しはそうした気持も無くはなかった。言い方が凄く本当の様だった。ましてや、無抵抗な人間をさんざん虐めまくった訳だし、借りにも教師だ。               だが、教師とは肩書きだけで本質は丸で違ったし、そんな自覚も無かったのだ。    だから、私が習ったのは、人がもし交換条件だと言って何か不快な事をさせようとしたなら、従わない方が良いと。サスペンスドラマの様に、それは止めどもなく続いて、嫌な事をやらされる、又は従っても、簡単に直ぐに裏切られてもっと酷い事になると。    ★もう1つは、私が帰ろうとして急いで下駄箱ヘ行こうとしていると、私を尾行している樽辺のクラスの象足コンビが又、甘堂に私の居場所を知らせた。甘党が来て嬉しそうに、私を後から呼び止めたから、私は、離れていたので走って逃げた。          所が、下駄箱に行き、靴を履こうとすると無い!!いつも私が走って逃げるからだ。  甘堂に知らせて私のいる所へ来らせる時以外は、甘堂はこいつらに、私を捕まえられたらいつでも連れて来い、と頼んでいたのだ!!だが、いつでも私に逃げられる。だから今度は逃さない様に、私の靴を隠したのだ。  私が急いで探していると、廻りの、他の生徒の下駄箱に片方ずつ入っていた。     急いで履いて外へ出ようとすると、奴らがケダ箱の所へ来た。象足の他には甘堂と樽辺がいた。私は急いで校庭に飛び出した。   そのまま真っ直ぐに校庭を走り、門を出たら良かった。走れは、樽辺がいても私の方が早かったに決まっている。だが、もっと手っ取り早く追い払う手を選んでしまった。違う方法をとってしまったのだ。        私は、校庭の横の細い通路みたいな、人目に付かない箇所があったので、そこに隠れた。そして樽辺達が私を必死で探しているのが聞こえる。                「何処に行ったんだ?!」、       「おかしいわね〜?もう校門を出たのかしらー?」、「あなた達、ちゃんと探して見つけてくれる?」、「はい!!」、「大丈夫です。必ず見つけますから!」           私はこの時にそっと様子を伺っていた。探しているのが、その隠れた箇所から見える。校庭はそんなに広く無いし、特に何も無い。 「もう仕方ないから諦めましょうか?」、「そうですねー。全く、何処へ行っちまったんですかね?」               私は、もう少しだと思った。だがその時に、片方の象足がその狭い、建物の横のスペースに気付いた。              そしてこちらへ来た。          飛び出て走れば良かった。だが、もう遅いと思ってしまった。諦めなければ良かったのだが…。                 象足の片割れは私が隠れている場所に来て、私を見ると大声で叫んだ。        「いましたっ!!先生、いました〜!!!」 「いたの?!」             第一声が甘堂の歓喜の声だ。       「どこですかー?」           「ここです、ここにいます!」      甘堂達が来て、私を発見すると、密猟者が、やっと目当ての獲物を見つけた様に大騒ぎして喜んだ。               「うわあ、よくやったわね?!」     「さぁ、もう逃げられないぞ、高木!!早く出て来い?!」             樽辺の声が続く。象足共に命令して、二人が私の腕に左右でガッチリと自分の腕を組み、逃げられない様に職員室ヘとグイグイと引っ張って行く。              その間に甘堂と樽辺は二人を褒めそやす。特に私がそこにいるのを見つけた方をだ。 「あなた、よく分かったわね!!凄いわね?」、「ねー、どうしてあそこだって分かったの?」                 「はい!何か、あの辺りが見え辛いし、他には隠れる場所が無いなぁって。」     「偉いわぁ!!これからもあなた達、ずっとお願いね?頼りにしてるから。」     「はい!任せて下さい。」、        「はい!分かりました。」         丸で善行をしているつもりだ。      「でもあなた達、手助けしてくれて本当にありがたいし嬉しいんだけど、前にも言ったけど、絶対に校門の外へ出たら、もう追っちゃ駄目よ?良いわね?!」         「はい、分かってます。」、        「しません!」             「そうよ、絶対に駄目!誰かに見られて、学校に電話があったりしたら大変ですからね?」                 「そうですよ、それをよく注意して下さいね。」                  樽辺も念を押した。           そうして職員室に着くと、象足コンビに「ご苦労様、又お願いね?」と甘党は繰り返して、帰らせた。             この2つの出来事が、まず特に母が、やっとなんとかする事にした引き金だ。そして甘堂の家に電話をする。           次回に又話す。又、二年生になると修学旅行がある。行き先は、何と中学校で既に行った京都だった。              私はそれもあるしで、行かない事を決断する。こうした扱いをされていて、どんなに恐ろしい事になるか分からない。そこに数日、寝泊まりする訳だから。         母に話すと、母も構わないと言った。そんな、敵陣へ送り出す訳には行かないからだ。これが又、波紋を呼ぶ!甘堂、今岡、樽辺…。この鬼畜達は、是が非でも私を修学旅行ヘ引っ張り出す決意をした!!     その話と、言いそびれてしまった甘堂の義母と私の母との会話を、次回に話そう。   

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