第11話

「分かった、良いよ。どうせあのカード、 もう一人入れるんだから。」        私はシンちゃんの執拗さにかなわず、又良い事をしているんだという優越感もあった。「わぁ、やったぁ〜!!」        シンちゃんは凄く嬉しそうだった。そして それからは頻繁に彼女を連れて行く様にになった。                 そしてある時、私は又雪子さんと行く約束をした。だがその日にはシンちゃんも行きたいと言い出した。             よくは覚えていないが、雪子さんが確か有給休暇を取り、数日間夏休みとしてゆっくりと家で過ごすだとかだった。だが、その中の一日を私とプールヘ行きたいと、電話があったのだ。                 母は仕事だし、基本余り水泳が好きでは無かった。母は、何でもスポーツは余り好きで なかった。だからプールヘたまに三人で行っていたのも、雪子さんや私が行きたがったからだ。                 だから又久々に二人で行く事になり、私もなんとなく嬉しかった。          だが前日に、「明日プールに行きたい。」、とシンちゃんから電話があった。私は理由を言い、断った。だが相変わらず彼女はしつこかった。どうしても行きたいとせがんだ。 泣き声になり、何故一緒に、三人で行っては駄目かと執拗に聞く。何か自分がいたら困るのか?、何も自分は変な事をしない、なのにどうして駄目なのか?何故そんなに意地が 悪いのだ?等と言ってくる。        仕方がないから、じゃあ本人に聞いて、良いと言われたら連れて行くと返事をして、やっと電話を切った。            だが母に聴かないと勝手な事はできない。母が帰宅してから聞いてみた。       母は嫌がった。止めた方が良いと。私の事は産まれた時から知っているから良いが、相手は子供のいない人間だ。だからそんないきなり、知らない高校生を連れて行くなんて嫌がるだろうし、疲れるだろうと言った。   だがシンちゃんのしつこいのを知っている私は、聞くだけでも聞いたら駄目かと頼んだ。母はそれなら仕方ないと言った。恐らくは 嫌だと断ると思ったのだ。        母は雪子さんに電話をかけて、少し話して からその事を聞いた。          雪子さんは快く承諾した。        「良いわよー。リナちゃんの友達なら、私もどんな子か会ってみたいから。」      そう返事をしたらしい。         私はシンちゃんに伝えた。シンちゃんは喜んで、その日私と一緒に雪子さんとホテル前で会った。                雪子さんは、シンちゃんが結構太っていた から少し驚いた様だ。もっと違うタイプの子を想像していたみたいだ。        とにかく、私達はプールで泳ぎ始めた。それから一旦上がる。プールサイドで、座りながら雑談をする。             すると途中からシンちゃんが下を向いてクスクス笑い出したのだ!!

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