第7話

少ししてから私とシンちゃんは又このお婆さん達が二人でやっているラーメン屋へ行った。そして又ラーメンを注文した。だがもう二人共、とても感じが悪かった。     もう髪の毛は入っていなかったが、愛想悪くラーメンを運んで来た。会計の時にもそうで、ろくに口もきかなかった。ありがとうございましたも言ったかどうかを覚えていない。もし言ったとしても、低い小さな声で嫌そうな感じでだろう。シナチクも、数は勿論戻っていて少なかった。         そして食べている時にたまにカウンターの方を見ると、二人でこちらををきつい目付きでじーっと見ていた。本当にとても嫌な感じだったし、一度、「シナチクをあんな事してねー。」、と言うのが聞こえた。       それで又次に行った時には、最後にはお礼の言葉も無かった。その時は誰も客がいなかった。                  シンちゃんは彼女達の態度が、客商売のクセに生意気だし感じが悪いと言った。    「なあに〜、この態度?最低!!礼も言えないんだから、客に。元は自分達が悪い癖に!あんな汚い、髪の毛が付いた、気持悪いシナチクなんか出しといて。」        「もう来なくていいからね。」       レジにいたお婆さんが言った。      「エッ?!ばっかじゃないの?!こんな汚いガラガラの店に、せっかく来てやってんのに!」                 シンちゃんが私に同意を求める様に大きな声で言った。               「じゃあもう来るんじゃないよ!」    「うるさい、ババァ!!」        シンちゃんが叫んだ。          「早くもう行こうよ!」         私は家が近いし、うちの厳しい祖母や母親にこんな事がバレたらマズいと思って焦った。又、制服でどこの学校か分かって電話でもされたら大変だ。私は目立つし、誰だか直ぐに分かる。だから、シンちゃんにそう促した。「勿論行くよ!いつまでもいないよ、こんな所!せっかく食べてやってるのに。こんな非常識な店なんてもう来ないから!!その内直ぐに潰れるから、こんな事やってると。」 シンちゃんはそう言いながら、憤慨しながら私と外へ出た。              私は後になってから、他に幾つかシンちゃんがした事で母と話していた時に、このラーメン屋での事を打ち明けた。        母はこの話でも、シンちゃんの事を恐くて凄い子だと言って呆れた。幾ら髪の毛が入っていたからといえ、シナチクを全部灰皿に移したり、そんな年寄りにそうした事を言ったりした事だ。 

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