第29話アリスとその護衛
私のせいでみんなが死ぬ可能性があった。
いえ。
私一人が死んだとしてもみんなが責任を負わされる可能性だってあったわ。
「アリス様...」
「私はどうすれば」
「それは皆様のことを良くしているアリス様のほうがよく分かっておられるかと。彼らに謝り。礼を言うそれを受け入れてくれると思われます」
「確かにそうね。でも今日の私が言えることではないけれどそれでは示しがつきません」
「そうですね。ではお詫び粗品と言うことで何か贈ってみてはいかがでしょうか」
「明日付き合ってくれる?」
「もちろんです(笑)では今日は一度失礼させていただきます。明日は何時ごろに伺えばよろしいですか?」
「そうですわね、10時に噴水広場でいいわ」
「わかりました。お休みなさいませ」
「お疲れ様」
今日は本当に危なかった。
でもアリス様も命の危険を経験すればさすがに省みていただけるはず
にしてもアルベルト様のあの俺たちの護衛は正面戦闘にたけていると言う言葉...
アルベルト様からすれば私と会うのは今日が初めてのはず
なのにあれはまるで私の護衛としての能力、役割を完全に理解しているともとれる言葉
お披露目会のパーティーなどの場では思い込みから近くにいる護衛が正面戦闘ではないスキルを持つものだと考えることはあるだろう。
しあしあのような場ではまず最初にそうは思わないだろう。
つまり知っていなければ出ない言葉。
情報ではただの貧乏侯爵家の長男となっていたはず
いったい何者...
「おはようございますアリス様。早かったのですねまだ30分前ですが」
「いいでしょ。早く目が覚めたのよ。行くわよ」
「決まっているのですか?」
「ええ。以前話したときに2人が紅茶が好きと言っていたのよ。ただリッカスさんの分をどうしようか決めかねているの」
「そうですか、確かに難しいですね。ですが一般的な紅茶であれば癖もなく嫌いと言う人は少ないと思われますが」
「確かにそうね。それに一人だけ違うというのも少し変な感じがするし...そうしましょう」
「早く済みましたね。今からでも学校に行かれますか?」
「...」
「どうされました?」
「あなたにも世話になったから。その何か欲しいものとか行きたいものはないの?」
「アリス様...私はそのお気持ちだけで十分でございます」
「今日はそういうことを言っているわけじゃないわ。貴族家の護衛を任されているのでしょ?施しを受けるということも覚えるべきよ」
「であれば王都で有名なスイーツも店に行きたいと思っておりました」
「じゃあ行きましょう」
アリス様。
貴族らしい高慢な態度ではありますが自分の間違いを悔めるお方
将来は良い当主になられるでしょう
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