第294話 モルベルト国の迷宮

4人がモンスターと戦う姿を、後方で見守る私とコクヨウとディオンの3人。

のんびりと椅子に座り、テーブルの上に用意したお茶を3人で飲みながらの鑑賞である。

何かあったら、すぐに対処ができる様にはしているよ?



「案外、安心して見ていられるかも?」



順調と言ってもいい。



「これなら、何も心配ないですね。」

「私もそう思います。」



コクヨウとディオンの2人も、4人の戦う姿に何も問題はないと太鼓判を押す。

だがしかし、不安は残っている。



「っっ、ディア様の前で、無様な姿は見せられません!」

「邪魔をしないでください!」



ロッテマリーとルルーシェルの2人の暴走が。

他の子達も大概そうなのだが、この2人は私に対して神聖化し過ぎている傾向がある。

出会い方があれだったから、致し方ない面もあるのだけれど。



「2人が暴走し過ぎないと良いんだけどね。」



溜め息を吐く。

2人の暴走が、私はとても心配でならない。



「良いのではないですか?」

「2人もそこまで愚かではないでしょうからね。」

「んー、」



・・そう、かな?

まだ少し不安だが、2人がそう言うなら、このまま4人が戦う姿を見守る事に専念しよう。



「ディア様、今日の目標である10階層に到達です!」



ロッテマリーが喜びの声を上げる。

敵と戦い続ける事数時間。

ようやく、今日の私達の目標としていた10階層へと到達した。



「じゃあ、今日の迷宮攻略はここまでにしよう。」



無理はいけないしね?

ここら辺が、ちょうど潮時でしょう。



「4人とも明日は1日お休みで、次の迷宮攻略は明後日だよ!」



今日は4人とも頑張ったからね。

そのまま、10階層にある転移装置で迷宮の入り口近くへ戻ると、私達はそのままルーベルン国の屋敷へと転移した。

ーーー本日の迷宮攻略、モルベルト国の迷宮10階層まで到達。



「今日も順調だね。」



1日休みを挟み、2回目の迷宮攻略も順調に進む。

今回の迷宮攻略を進める中で、階層の半分を過ぎる頃には4人のレベルもかなり上がった。

私の従魔であるヴァレンティーナとエイルの2人の今のステータスがこれである。



名前:ヴァレンティーナ

LV34

種族:竜(水竜)

隷属:ディアレンシア・ソウル

HP:3870/3870

MP:3165/3165

スキル

気配察知、危険察知、状態異常耐性、咆哮、威嚇、水魔法、風魔法、ブレス、鑑定、経験値倍増、マップ攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、状態異常耐性、身体強化、思考加速、気配遮断、氷魔法、重力魔法、詠唱破棄、転移



名前:エイル

LV36

種族:ヴァルキリー

隷属:ディアレンシア・ソウル

HP:4140/4140

MP:3590/3590

スキル

気配察知、危険察知、威嚇、結界術、気配遮断、探知、状態異常耐性、風魔法、重力魔法、鑑定、経験値倍増、マップ、攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、体力回復上昇、身体強化、思考加速、気配遮断、詠唱破棄、転移



2人とも中々の強さでしょう?

ロッテマリーとルルーシェルの2人も、ヴァレンティーナとエイルよりも元々レベルは高かったので、どんな敵であろうとも簡単に倒してしまうので頼もしいぐらいだ。



「これなら、この迷宮の攻略もすぐね。」



この4人のモルベルト国の迷宮攻略が終わったら、次は私達のメンバーの番。

お待ちかねの、私達のレベル上げである。



「ふふ、楽しみ。」



今度こそ、私がモンスターをいっぱい倒すんだ!

ただ見ているだけなんて、味気ないもの。



「そうなると良いですね?」

「えぇ、本当に。」



にこやかに微笑む、コクヨウとディオンの2人。



「・・・?」



良い笑顔の2人に、私は首を傾げた。

後日、私は思い知る。

ーーーまた過保護な皆んなによって、私がモンスターと戦う事が出来なくなる事を。



「ようやく、モルベルト国の迷宮攻略です!」

「お嬢様、やりましたね!」



迷宮の最後のボスを倒し、手を取り合うロッテマリーとルルーシェルの2人。

その場で喜びに飛び跳ねた。



「ふう、レベルは上がったとは言え、妾は疲れたのじゃ。」

「しかし、これで私はもっと強くなれました。」



疲れを滲ませて肩を叩くヴァレンティーナと、自分の力が増した事を純粋に喜ぶエイルの2人。

とても対照的な従魔組の2人である。



「お疲れ様、4人とも。」



笑顔で4人に近付く。

1週間とかからず迷宮を攻略するとは、大したものだろう。



「ありがとうございます、ディア様。」

「このルルーシェル、ディア様に無様な姿は見せれませんから!」

「ディア、妾は疲れたのだ!」

「ディア様の為に、手に入れたこの力をお使い致します。」



近付いた私に、個性的な回答を返す4人。

中々、面白くて笑ってしまった。

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