第163話 エトワールの紹介

いくつか上がる、エトワールへ私が与えたいスキルの候補。



「これがエトワールに与えたいスキルの候補なんだけど、どう?」



またエトワールが頷く。

これは問題ないって事なのかな?



「なら、今上げたスキルの候補をエトワールに付与しちゃうね?」



早速、エトワールへスキルを付与していく。




名前:エトワール

LV1

種族:ペガサス

隷属:ディアレンシア・ソウル

HP:1080/1080

MP:1200/1200

スキル

気配察知、危険察知、攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、状態異常耐性、身体強化、思考加速、光魔法、風魔法、詠唱破棄、経験値倍増、気配遮断、俊足、結界術、念話



その結果が、これ。

おぉ、後衛として申し分ないスキルを得たエトワールは無敵じゃない?



(ーーーー主様。)

「へ?」



突然、私の頭の中に響く声。

まさか。



「エトワール?」

(はい、主様。こうして主様とお話が出来て嬉しいです。)



エトワールが鼻先で私に擦り寄る。



(主様、大好き。)

「~~~っっ、」



なに、何なの、エトワールのこの可愛さは。

あまりの可愛さに悶える。



「っっ、私も大好き、エトワールッ!」



エトワールに抱きつく。

大変。

こんな可愛いエトワールを見たら、絶対に拐いたくなるに決まっている。



「この私がエトワールの事を守るからね」



不埒者に触れさせません。

エトワールのレベルが上がるまで、鉄壁の守りを施さねば。



「安心してね、エトワール。それと、これからは私の事はディアって呼んで?」

(ディア様?)

「はうっ、」



首を傾げるエトワール。

もう、エトワールの可愛らしさにメロメロです。



「あらあら、コクヨウ、ディオン、新たに強敵が現れてしまいましたよ。」



私の背後でアディライトが小さく呟いた。

思う存分エトワールと戯れた私。

そろそろ、アディライト以外の皆んなにもエトワールの事を紹介していこう。



「新しい従魔のエトワールだよ。」



てな訳で、早速の紹介。



「っっ、なっ、ぺ、ペガサス!?」

「なんて綺麗な。」

「まさかペガサスを見る事が出来るなんて!」

「さすがは、私達のディア様!」



最後のロッテマリーからの感想は聞かなかった事にして、皆んなエトワールに感嘆の声を上げる。

うん、だよね?

エトワール、凄く綺麗だもん。



「皆んな、エトワールと仲良くしてね?」

「「「はいッ!」」」



うむ、皆んな良いお返事。

皆んなに撫でられるエトワールの事を微笑ましく見守る。

皆んなにもエトワールと会話ができるように念話のスキルを付与しようかな?



「ーー・・ディア様。」

「ん?」



どんよりとした、沈んだコクヨウの声に振り向く。



「コクヨウ?ディオン?」



首を傾げる。

2人とも暗い気を纏っているのは、どうしてだい?



「・・・いつ、僕達はディア様にお許しいただけるのでしょう?

「へ?」

「・・一生、私達は許されないのでしょうか?」

「う、うん?」

「・・絶望しかない。」

「・・・人生、終わった。」



この世の終わりかのような表情で2人が膝をつく。

あ、あれ?

これってお仕置きが効きすぎた感じ?



「いや、うーん、」



ここまで落ち込むって、2人とも重症すぎないかい?

頬を掻く。



「・・・、2人とも、ちゃんと反省した?」

「もちろんです!」

「お許しいただけるのですか!?」



食いつく2人。

身を乗り出す様に迫る2人が少し怖いんだけど?



「えっと、」

「ディア様、僕、寂しいです。」

「私もディア様のお側に寄れず悲しいですよ。」

「あ、う、」



しょんぼりする2人の姿に罪悪感が。

許しても良いかも?



「・・・ディア様って騙されやすくないですか?」

「お2人のあれ、泣き真似ですよね?」

「・・まぁ、ディア様はお優しいのよ。」

「自分の内側に入れた者に対して、ディア様はとても甘いもの。」

「ディア様は、慈愛溢れる方ですからね!」



ひっそりと交わされる会話。

知らぬは本人だけ。



「もう、絶対に意地悪しないでよ?」

「ディア様が可愛らしいのがいけないのでは?」

「確かに。」

「!?」



私達の日常は、平常運転。



「・・・、ねぇ、やっぱり、さ、」



ジト目を向ける。



「2人の事を、まだ許すの止めようかな。」

「「!?」」

「なんか2人とも反省してないみたいだし。」

「そんな、殺生な!」

「誤解です、ディア様!」



これも、ある意味では幸せ?

なのかもしれない。

新しい家族、ペガサスのエトワールが加わりました。

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