第162話 ペガサス
なんか、段々と2人の事が可哀想になってきたかも?
「・・いや、いかん。」
ここで私が甘い顔をしたら、2人への罰にならない。
うん、やはり2人の事は放置だ。
それが良い。
「罰として2人の事を放置している、その間に、」
ーー・・新しい従魔を作りますか。
新しい従魔はどんな子かは、言った通り前から考えていたペガサス。
この先の旅に必要な家族になる子だ。
「アディライト、これから新しく従魔を作るから、その間の護衛はよろしくね?」
「はい、お任せ下さい、ディア様。」
と言うわけで、無防備になる間の護衛をアディライトに任せ、自室のソファーに座る私は、さっそく新しい従魔を頭の中に思い浮かべる。
真っ白なペガサスの姿を。
「ーーーーっっ、来て、私の元へ!」
浮かび上がる魔法陣。
その魔法陣へと自分の魔力を流し込む。
「っっ、あっ。」
私の身体から一気に抜けていく大量の魔力。
ひどい目眩に目を瞑る。
何度やっても、この目眩には慣れない。
従魔の作成には、ほとんどの魔力を消費するから致し方ない事なのかもしれないが、辛いものがある。
「ふう、」
なんとか目眩も治ったかな?
まだ魔力を失った事による身体の気怠さは残るが、そこまで辛くはない。
そっと、目を開く。
「ーーーー・・っっ、あっ、」
目を開けた、その先。
真っ白な毛並みの、青い瞳で私を見つめるペガサスの姿があった。
私が思い描いていた通りのペガサスの姿。
「まぁ、これがペガサス。とても綺麗な姿ですわ。」
アディライトも感嘆の声を上げる。
それほど優美な姿の姿。
見惚れる私の元へ近付くと、ペガサスが私の手に擦り寄ってくる。
「私の従魔になってくれるの?」
頷くペガサス。
「っっ、か、可愛いんだけどッ!」
胸を撃ち抜かれる。
なに、その可愛らしい仕草。
ペガサスのあまりの可愛いさに私は悶える。
「さ、触っても良いですか!?」
手をわきわき。
怪しい人間に見える?
このペガサスの可愛さの前に平常心など皆無。
触りたあ欲求に抗えません。
「その可愛らしさに愛でたくなる気持ちも分かりますが、少し落ちついて下さいませ、ディア様。その前に名前を与えてあげたらいかがですか?」
「はっ、」
そう、だった。
危ない、アディライトに止められなければ暴走するところだったよ。
「うーん、名前、ね。」
不思議そうに顔を傾げるペガサスの青い瞳を見つめる。
綺麗な青。
まるで、夜空に輝く星のようだ。
「ん?」
・・・星のよう?
「決めた。貴方の名前は、エトワール。」
星を意味する名前。
「エトワールって、どう、かな?」
この名前を気に入ってくれると良いんだけど。
ペガサスが嬉しそうに私に擦り寄る。
私の心配は杞憂だったようだ。
「ふふ、どうやら気に入って下さったようですね、ディア様。」
「ん、」
私に擦り寄るエトワールの鼻先を撫でた。
よろしくね、私のエトワール。
名前は決まった。
私とエトワールの間に強い絆が生まれる。
「うーん、と言っても、エトワールと話せないのはなぁ。」
エトワールは賢いのか私の言葉をちゃんと理解しているみたいなんだよね。
偉い子だよ。
「ディア様、なら、念話のスキルをエトワールに与えてはいかがですか?」
助け舟は、アディライトから。
おぉ、その手があった。
「なるほど、念話、ね。確かに、それならエトワールと話せる。」
念話は絶対にエトワールに与えたいスキルだ。
と、その前に。
「エトワール、鑑定しても良い?」
確認しなくちゃ、ね。
親しき仲にも礼儀ありって言うし。
「鑑定でエトワールについて、詳しい事を知りたいの。良いかな?」
頷くエトワール。
これは良いって事だね。
では、早速エトワールの事を鑑定。
名前:エトワール
LV1
種族:ペガサス
隷属:ディアレンシア・ソウル
HP:1080/1080
MP:1200/1200
エトワールは、MPが高い。
後衛向きだ。
「こるならエトワールには、皆んなへの支援や回復系を担ってもらうのがベストかな?」
支援や回復系は多い方がいいからね。
「あと、防御とか?」
結界系のスキルもあったら良いかも。
馬車の保護にもなるし。
「と、なると、」
エトワールに与えるスキルは。
気配察知、危険察知、攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、状態異常耐性、身体強化、思考加速、光魔法、風魔法、詠唱破棄、経験値倍増、気配遮断、俊足、結界術、念話
って、所かな?
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