第99話 小さな攻防戦
恒例のようになったコクヨウとディオンと一緒のベッドで、安心する2人の温もりに包まれながらぐっすりと眠った翌日。
「ーーもっとレベル上げをしたい?」
私はリビングに揃った全員からの提案を聞かされる。
首を傾げる私に、ディオンが頷く。
「迷宮攻略も無事に半分まで終わりました。ここで、ゆっくりと皆んなのレベルを上げて戦力を強化するべきではありませんか?」
「うーん、確かに。」
特に迷宮攻略は急いでいる訳ではないので、全員のレベルを上げつつ、ゆっくりと奥へと進むのも良いかもしれない。
急いで迷宮を攻略する必要もないもんね。
となれば、ここで皆からのレベル上げの提案は悪くない。
「全員での戦闘の連携は上手くなってきたので、あとはレベルが伴えば良いと思います。どうでしょうか、ディア様?」
「分かった、明日からの迷宮攻略はレベル上げをメインにしつつ、ゆっくりと先に進んで行こう。これか出てくるモンスターも、段々と手強くなるだろうしね。」
バラツキのある全員のレベルも、ここで統一するのも1つの手だ。
うん、悪くない。
「主にアスラとユエを戦闘の中心にして、明日からの迷宮攻略は皆んなのレベルを上げて行こうか。どうかな、アスラ、ユエ?」
「うむ、承知した。もっと強くなれるなら迷宮効力が遅れようとも不満などないぞ。」
「ディアよ、任せろ。どの様な敵でも蹴散らして強くなってみせよう。」
やる気のアスラとユエが胸を張る。
2人に異存はないようだ。
「明日から、気合いを入れなおさねばなりませんね。ディア様、今日はしっかりとした食事を取って身体を労ってくださいませ。」
「ん、そうする。アディライト、今日の朝食は何?」
「ディア様のお好きなオムレツにしました。デザートは、昨日完成させた新しい味のゼリーですよ。」
「やったー!」
アディライトの言葉に、私のテンションが上がる。
新しい味のゼリー、楽しみ。
何の味だろう?
「うふふ、他にもディア様のご提案のアイスクリームも作りました。それも楽しみにしていて下さい。」
「えっ?アディライト本当に!?」
私の目が輝く。
「甘味の種類が増えたの!?」
凄く嬉しい!!
新作のアイスクリームなんて、なんて嬉しいのだろうか。
「もうアイスクリームを完成させるなんて、アディライト凄い!大好き、アディライト!」
アディライトに抱き着く。
本当に神。
アディライトがいない生活なんて考えられません。
「ふふ、いえいえ、ディア様が教えて下さる料理は、全て私が知らないものばかりで尊敬しますわ。」
「そうかな?私は作り方を知っているだけで、実際に料理を教えてすぐに作れる様になるアディライトの事を、私はとても尊敬しちゃうけどね。」
ハイスペックでしょ。
さすがは、有能なメイドさんである。
「アディライト、ちなみにアイスクリームの味は?」
「ミルク味です。美味しいミルクが手に入ったので、さっそく作ってみたのです。ディア様のお気に召せば良いのですが。」
「っっ、アディライト、本当に神!」
頬が緩む。
日本の料理を、もっと色々とアディライトに提案しよう。
これで私の食生活はバラ色だ。
「ん、もう、アディライト、ずっと一緒にいてね!?」
絶対にアディライトの事は離しません。
「もちろんですわ、ディア様。何があろうともディア様のお側を離れません。」
感激したようにアディライトが抱き締め返してくれる。
うむ、幸せなり。
「・・・コクヨウ、私達の最強の敵はアディライトの様ですね。」
「・・ディオン、事実でも悲しい事を言わないで下さいよ。」
アディライトの腕の中で歓喜していた私は、コクヨウとディオンの2人が落ち込んでいた事も。
「ふっ、まだまだコクヨウとディオンばかりにディア様を独占なんてさせませんわ。えぇ、どの様な手を使おうとも、この私が許しませんとも。」
そんな2人に、アディライトが私に気づかれぬ様に不敵に笑っていた事さえ気付かなかった。
人知れず、火花が散る。
小さな攻防戦。
「さぁ、ディア様、朝食にいたしましょう。」
「うん!!」
満面の笑みをアディライトへ向ける。
「「くっ、」」
人知れず、ひっそりと敗者達は悔しさに歯噛みした。
毎日、皆んなから過保護なぐらい世話を焼かれ続けた私。
迷宮攻略も私の存在も虚しく皆んなが瞬殺でモンスターを倒してしまう。
出番が少なくて悲しいよ。
名前:ディアレンシア・ソウル
LV54
性別:女
年齢:16
種族:人族
称号:世界を渡りし者、神に見守られし者、寵愛し者
HP:4975/4975
MP:4530/4530
スキル
言語理解、空間収納、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、隠蔽、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、精神耐性、全属性魔法、詠唱破棄、武器作成、思考加速、剣術、体術、転移、従魔召喚、スキル付与、スキル改変、リバイブ、経験値共有、魔道具製作
ユニークスキル
創造魔法
従魔:リリス
従魔:アスラ
従魔:ユエ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます