第52話 ディオンの武器と強化
アディライトの強化の完成。
足りないスキルは、新たに後から付与していけば良いかな?
・・・あっ、やっぱりコクヨウ同様にアディライトにも、称号『寵愛されし者』が出るのね。
「・・色々と疲れた。」
アディライトの武器作りと、スキル付与だけだと言うのに、だ。
だが、ここで挫けてはいけない。
まだ、ディオンとフィリアとフィリオの3人の武器作りと、スキル付与が残っているのだから。
「よし、アディライトの武器作りとスキルの付与は、取り敢えず、一応これでオッケーね。他にもスキルが必要そうなら、その都度に付与していくから。」
「かしこまりました、ディア様。ありがとうございます。」
「うん、じゃあ、次はディオンの番ね。悪いけどアディライト、ディオンと場所を変わってくれる?」
「はい。」
頷いたアディライトと入れ替わるように、ディオンが私の前に跪く。
そのディオンの瞳には、強い熱が孕んでいる。
・・・うん、もう何も言わないよ。
「えっと、まずは、ディオンが使う武器を決めようか?ディオンは使いたい武器は何が良いって要望とか希望はある?」
「・・私達、妖精族は森で暮らす種族なので、弓などが得意らしいのです。ですがーーー」
「ディオンは、した事がない?」
「・・・はい、お恥ずかしながら、私は妖精族の中で出来損ないでした。そんな私を父は外に出したがらなかったので。」
・・・何、それ。
ディオンの父親に対して、私の中にふつふつと言い様のない怒りが込み上げてくる。
「へぇ、そう。」
私の大切な家族となったディオンに幽閉まがいの事をしてくれたって訳ね?
何してくれてんのかな?
「ふふ、なら、盛大に後悔させてやりたいわ。」
自分の子供を出来損ない扱い?
見た目だけで優劣を決めつけるなら、ディオンの父親には絶対に後悔させてやる。
子供は、親の玩具じゃない。
意思ある1人の人間なんだから、傷付くんだって事を理解させてみせる。
「ディオン、なら、武器は弓を使いたい?そうなら、私がディオンを最高の弓使いにするよ。父親が歯ぎしりして悔しがるぐらい、最高の弓使いにね。」
その名前を轟かせて、ディオンの父親を悔しがらせてやりたい。
本当は、出来る事ならその顔を殴ってやりたいんだけどね。
「っっ、ディア様!!」
歓喜の色に染まる、ディオンの顔。
表情のなかった頃とは、比べられないぐらいの変わり様だ。
色気も醸し出している様な・・?
「あぁ、私の為に、色々と考えて下さり、本当にありがとうございます。しかし、父親や里の皆んなへの増悪が無いとは言えませんが、復讐したいと今の私は思えません。」
「そうなの?」
「増悪以上に、ディア様だけの為に私は生きたいので、それ以外の思いは、無用の長物でしかありません。」
「おふっ、」
よもやディオンの思考が、もはや私崇拝一択になった、だと!?
きっぱりと迷いなく言い切ったディオンの瞳に嘘は見られない。
本気だ。
ディオンは、本気で私以外は無用と思っている。
「まぁ、父や里の者達が私からディア様を奪おうとするなら、別ですが。」
「ーーーっっ、」
ひぃ、ディオン、怖いから。
非常に整ったその顔で物騒な事をさらりと言うのは、止めようね?
ディオンの意外な一面を垣間見た。
闇は深そう。
「・・・うん、その、武器、決めよか?ディオンの使う武器は弓で良いのかな?」
「はい、問題ありません。その弓でディア様の敵を全て殲滅してみせます。」
「・・・う、うん、そっか、あ、ありがとう?じゃ、じゃあ、さっそくディオンの使う武器を作っちゃうわ。」
ディオンのヤンデレ具合がヤバい。
・・・これって、武器を与えても大丈夫なんだろうか?
変な冷や汗をかきながら、私はディオンの為の武器を作っていった。
それがこれ。
弓
レア度:
機能:破壊不可、所有者制限、HP自動回復、MP自動回復、状態異常付与、重力軽減、追跡機能
製作者:ディアレンシア・ソウル
我ながら良い出来。
重力軽減はもちろんの事だけど、ディオンの武器は追跡機能付き。
敵に弓を放てば、必ず命中する優れもの。
少し私の遊び心も込めました。
追跡機能
打つ対象に定めた相手やものに対して、必ず命中させる。定めた相手が自分の射程範囲内にいない場合、効果は無効となる。
「はい、ディオンの武器だよ。気に入ってくれると良いんだけど。」
「っっ、ありがとうございます、ディア様。大切にします。」
ディオンが弓を抱き締める。
これは、ディオンも無事に武器を気に入ってくれたって事なんだろうか?
「うーん、こうして見るとディオンも普通に貰った武器を喜ぶ青年なんだけどなぁ。」
リリスの洗脳が怖いわ。
「よし、このままディオンにスキルの付与をしちゃうね?」
「よろしくお願いします。」
ディオンが頷く。
さて、ディオンへのスキルの付与はどうしようか?
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