第30話 オークションへの招待状

で、コクヨウに与えた武器は本人の要望で剣にした。

それが、これ。




ミスリルの剣

レア度:特殊ユニーク

機能:破壊不可、所有者制限、HP自動回復、MP自動回復、状態異常付与



製作者:ディアレンシア・ソウル





奴隷だったコクヨウを私の家族として内側に迎い入れてから、1日目。

順調に低かったコクヨウのレベル上げは進んでます。

もうしばらくしたら、私と同じく街でコクヨウの冒険者登録をしたいと思ってる。

身分証の代わりになるしね。

そしてーーーー



「コクヨウ、まだまだです。敵へのトドメは最後までしっかりとしなさい!」

「はい、リリスさん。」



そんなコクヨウのフォローを任せているリリスのレベルも上がった。

それが、これ。




名前:リリス

LV11

種族:アラクネ

隷属:ディアレンシア・ソウル

称号:蜘蛛の女王クイーン、寵愛されし者

HP:1900/1900

MP:2400/2400

スキル

経験値倍増、マップ、鑑定、隠密、気配察知、危険察知、幻惑、攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、状態異常耐性、身体強化




そして、いつの間にかリリスには《寵愛されし者》、私の称号には《寵愛し者》が現れていた。




寵愛し者

強く溺愛するものに現れるレアな称号




またまたレアな称号を手に入れてしまった。

これって、私がコクヨウやリリスを可愛がった事が原因だよね?



「気にしてもしょうがない、し、私もレベル上げを頑張らなきゃね!」



2人の戦いを見ているだけで、全くレベル上げしていない事だし。

ゆっくりと、私は2人の元へ歩き出した。





名前:ディアレンシア・ソウル

LV32

性別:女

年齢:16

種族:人族

称号:世界を渡りし者、神に見守られし者、寵愛し者

HP:2400/2400

MP:2150/2150

スキル(一部隠蔽中)

言語理解、空間収納、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、隠蔽、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、精神耐性、全属性魔法、詠唱破棄、武器作成(強)、思考加速、剣術、体術、転移、威圧、従魔召喚、スキル付与




ユニークスキル

創造魔法



従魔:リリス





その後も1日中、ずっとレベル上げに勤しんだ私達。

順調にレベルは上がっている。

このまま、どんどんレベルを上げていきたい。



「ディア様、2週間後に開催されるオークションには出られるんですか?」



レベル上げを切り上げ、さっぱりお風呂で汗を洗い流して、コクヨウの膝枕で寝転び、まったりしている時だった。

そう、コクヨウに聞かれたのは。



「・・・うーん、どうしようかな。悩んでるんだよね。でも、ハビスさんに、是非にって言われたしなぁ。」



空間収納の中から取り出したのは、2週間後にこの街で開かれるオークションの招待状。

コクヨウを購入した時、ハビスさんからいただいたものだった。

私の手に中にあるオークションへの招待状。



「・・オークション、ねぇ。」



ハビスさん曰く、このオークションは2年に一度、この王都で開かれるものらしい。

そこで売られるのは、奴隷だけではなく、武器や有名な画家の名画や骨董品など様々なんだとか。



「私はコクヨウを買ったばかりだし、急に奴隷を増やしても、ね?」



いずれは、コクヨウのような奴隷達を増やすつもりだ。

でも、それはいずれかの話、である。



「特に急いでないのよね。」



無理な戦力拡大は、私は今の所は望んでいない。

ゆっくりと、コクヨウ達のレベル上げを先に進める事が、何よりも優先。



「それに、他の武器や名画、骨董なんかに全く興味ないし。」



武器なら、自分で作れる。

もともと、骨董品とかには興味はないしね。



「でも、いきなりオークションの話をして、コクヨウどうしたの?」

「・・あの、僕もそのオークションの話をハビスさんに少しだけ聞いた事があるんです。」

「オークションの話を?」

「はい、……そのオークションに、魔族の奴隷が出品される、と。」

「っっ、?!」



息を飲む。

・・・魔族の奴隷?

魔族は、約100年前の大戦でその数を減らしたと言われている。

その魔族が?



「コクヨウ、その話、本当?」

「確かにハビスさんが魔族の奴隷が売り出されると話していました。間違い無いかと。」

「そう。」



頷き溜息を吐いた。

なんの思惑があって、ハビスさんはコクヨウのそんな話をしたのか。



「あの、ディア様。その魔族が・・・、」

「・・コクヨウは、気になる?」

「・・・、はい。」



その魔族の奴隷が自分の様な、それ以上の目にあっているのではないか、とコクヨウは呟く。

・・・優しいコクヨウらしい。



「それに、魔族は秀でて魔力が高い種族と聞きます。きっと、ディア様のお役に立てるかと。」

「・・・そう、ね。」



確かに、魔族は魅力的な存在だ。

私の手に入るなら、是非ともこちら側に迎え入れたい。



「ーーーーリリス。」

「はい、ディア様。こちらに。」



その名前を呼べば、私の影の中からリリスが滑り出てくる。



「2週間後に開かれるオークションに出される、魔族の奴隷について詳しく調べて。」

「かしこまりました、ディア様。」



恭しく、頭を下げたリリスの姿が私の影の中に沈む。



「ふふ、リリスからの報告次第では、その魔族の子を新しく家族に迎え入れるのも良いかもね。」



少しオークションが楽しみになってきた。

さて、私はリリスからの報告を、コクヨウを愛でながら、のんびりと待ちますか。

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