第31話 うちの子は優秀
リリスからオークションについての詳しい報告があったのは、次の日の朝だった。
さっそく、リリスの集めた情報を聞く事に。
「じゃあ、リリス、間違いなく魔族の奴隷が今回のオークションで売られるのね?」
「はい、しかも、出品するのは、オーヒィンス商会です。」
「・・・そう、ハビスさんは、とんだ狸だったって事ね。」
溜め息を吐き出し、ソファーに凭れる。
とんだくわせものだったって事ね、ハビスさんは。
「ハビスさんがコクヨウに魔族の奴隷の話をした事は偶然だとしても、私にオークションの入場券をくれたのは計算していたのね。絶対に、私がその魔族の奴隷に興味を持つって。」
狸であるハビスさんの読み通り、私はその魔族に興味を持ってしまった。
一体、ハビスさんはどこまで計算していたのやら。
「黒目であるコクヨウにも偏見を持たれなかったディア様に、その魔族を任せたいとハビスさんも思われたのでは?」
「私に?」
「普通の者であれば、魔族は畏怖や険悪の対象です。その魔族奴隷がその様なものに買われれば、どの様な扱いを受けるか分かりません。ですから、ディア様に買われて欲しいと思われているのでは?」
ディア様を利用するのは不本意ですがとリリスが呟く。
「・・なるほど、ね。」
黒色を持つコクヨウを普通に受け入れた私なら、魔族の奴隷も欲しがると思ったんだろう。
そして、そんな私なら魔族奴隷も大切にすると思われた、と。
「いいカモと思われた事を悲しめばいいのか、信頼されたと喜べばいいのか、複雑だわ。仕方ない、ハビスさんのその誘惑に乗りましょう。」
正直、欲しいと思った。
2週間後のオークションに出ると言う、魔族の奴隷を。
「リリス、そのオークションで出る奴隷で、他に気になる子はいる?」
「2人おります。ディア様が気に入りそうな子が。」
リリスが詳しく語る奴隷達は、どれも魅力的な存在だった。
さすが、リリス。
翌日に、これだけ調べてきたたんだから。
それに、ちゃんと私を理解し、ピンポイントで欲しがるであろう子を調べてきてるし。
優秀だね、うちの子は。
「それと、ディア様。魔族の奴隷について、なのですが。」
「うん?」
「実はーーーー」
リリスがある事実を告げた。
リリスから報告される、今回のオークションに出される魔族についての詳しい情報。
「・・・へぇ。」
語られる面白い情報に上がる私の口角。
リリスからの報告を聞いて、ますます、その魔族の奴隷が欲しくなった。
「リリス、ご苦労様。色々と情報を集めてくれてありがとう。貴方からの情報を聞いて、今回のオークションに私も行く事にしたわ。」
「ディア様、ですが、ご報告した奴隷の全員を買うとなると、相当な金額になると思いますが大丈夫ですか?オークション会場への入場の際も、大金貨1枚を支払うそうですよ。」
「あら、そうなの?ふふ、まぁ、お金の事は大丈夫よ、リリス。なんの問題もないから。」
リデルから貰ったお金が、まだたくさんあるからね。
資金は問題ない。
「それなら、安心いたしました。どの奴隷達も、きっとディア様のお役に立てる存在になる事でしょう。」
「そうね?オークションの日が楽しみになってきたわ。今回のオークション開催までの2週間、時間つぶしを兼ねて十分なレベルを上げに挑みましょうか。」
私は期待に胸を弾ませ、待ちに待った2週間後。
ようやく、オークションの開催。
この2週間、レベル上げとコクヨウとリリスを可愛がり尽くして過ごせて、大満足な日々だった。
異世界最高です!
そして、今の私達のレベルはーーーー
名前:ディアレンシア・ソウル
LV42
性別:女
年齢:16
種族:人族
称号:世界を渡りし者、神に見守られし者、寵愛し者
HP:4530/4530
MP:4120/4120
スキル
言語理解、空間収納、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、隠蔽、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、精神耐性、全属性魔法、詠唱破棄、武器作成、思考加速、剣術、体術、転移、従魔召喚、スキル付与
ユニークスキル
創造魔法
従魔:リリス
名前:リリス
LV31
種族:アラクネ
隷属:ディアレンシア・ソウル
称号:蜘蛛の
HP:3810/3810
MP:4280/4280
スキル
隠密、気配察知、危険察知、幻惑、攻撃力上昇、防御力上昇、魔力回復上昇、状態異常耐性、身体強化、思考加速、光魔法、詠唱破棄
名前:コクヨウ
LV28
性別:男
年齢:14
種族:人族
隷属:ディアレンシア・ソウル
称号:闇に愛されし者、寵愛されし者
HP:1980/1980
MP:1710/1710
スキル
生活魔法、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、思考加速、黒魔法、詠唱破棄、俊足、剣術、体術
ーーーーに、なっていた。
必要なスキルもどんんどん増やしたし、コクヨウはもちろん従魔であるリリスの魔力量は、今や私を超える成長速度。
そこら辺の冒険者なら、今の2人なら楽に返り討ちしてしまえるだろう。
「ふふ、良い事ね。」
2人の強さに、満足げに微笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます